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『愛の不時着』ミュージカル鑑賞
先日ソウルにて、
ミュージカルの『愛の不時着』を観てきました。
ドラマが大好きだったので、
この作品がどんなふうにミュージカルに生まれ変わるのか
とっても興味津々でしたが、良かったです!
ドラマの中の人気エピソードやアイテムをうまく抽出して
あちこちにはめ込んで上手に繋げてあるのです。
あ、それはここに持ってきたのか、とか
こっちで生かしているんだなとか。
なので、ドラマを見たときの感情がしっかりと蘇って来ます。
16話を2時間半にまとめるので、
もしかしたらメインカップルだけに絞ったりするのかな
と思いましたが、
ク・スンジュンとダンのカップルも丁寧に描いていて、
それもよかったです。
やはりこのカップルのファンも多かったですからね。
北朝鮮の奥様方も、リ大尉の部下たちも登場して、
ドラマの楽しいラブコメの雰囲気をしっかりと感じさせてくれて
ドラマで味わった感情をちゃんと追体験できる作品でした。
脚本は『私とナターシャと白いロバ』や
『伝説のリトルバスケットボール団』
『メアリー・シェリー』などを書いているパク・へリム作家。
演出は『マイ・バケットリスト』『スリル・ミー』
『海賊』などのパク・ジへ演出家。
そして、ドラマ『賢い医師生活2』などのイ・サンフン作曲家、
という制作陣です。
音楽はドラマのOSTから3曲くらい?が使われていましたが、
一番印象に残ったのはオリジナル曲で、
「一歩だけもっと」という、
セリが北朝鮮から韓国に戻るときの別れの場面で歌う曲で、
歌詞も切なくて良かったです!
ドラマを見ていない人が見たらどうなのかは
私にはもはやわかりませんが
韓国の評を見ても、それでも十分楽しめたという声があるので
大丈夫なのだと思います。
始まる前の場内アナウンスが
ピョ・チス役の俳優さんのしゃべりだったのも気が利いてました。
録音、録画とかの禁止事項も、
「これは我らのリ大尉からの命令です」みたいな感じの言い方で^^。
今回はキャスト違いで2回見ましたがどちらもよかったです。
ミン・ウヒョクさんはいつも強い役どころが多かったですが、
今回は珍しく朴訥で素朴な中のきまじめな雰囲気がすごくよくて、
しゃべり方とかドラマの中のヒョンビンの演技に寄せていたので
脳内でヒョンビンを見ているようでした。
温かくてまっすぐなまなざしにキュンときました💕
イ・ギュヒョンさんも実直な北の兵士というもっさり感が出ていて
とろけそうな温かな眼差しでセリを見つめる表情につかまれますね。
そしてドラマでいつもコミカル演技が光っている
イ・イギョンさんの軽やかな中の真剣さが良かったですね。
失礼ながら、かっこいいんだな~と初めて思えました💦
ドラマのク・スンジュンのイメージそのものでした。
イ・イギョンさんは正直歌はそこまで上手くはないのですが、
演技が良くて!
最後に涙流してダンに思いを打ち明けるところなんか
すごく胸に迫るものがありました。
テイさんはもうちょっと大人の洒脱さがありましたね。
セリは、キム・リョウォンさんのしゃべり方のはつらつさが
役にぴったりでしたし、
イム・ヘヨンさんは声も可愛いので、
女性的な甘さの感じられるセリになっていました。
こうなるとキャストを全部制覇して観たくなります。
以下、ドラマのどの部分が生かされていたかという
内容のネタバレを含む文になりますので
まっさらな気持ちで舞台を観たいという方はご注意ください。
【ドラマとミュージカル比較】
セリがリ大尉の部下たちに表彰状をあげて
リ大尉には何もなくてすねるという笑いを誘う場面とか、
海から逃げようとして見つかりそうになって
キスしてごまかす場面や
セリがク・スンジュンと再会したときに
リ大尉をボディーガード扱いするシーンとか
その流れで、運命と偶然について
リ大尉が思わず熱く語ってしまうシーンとかが
ちゃんと生かされていました。
で、暗がりの中、アロマロウソクを手に持って
セリを導くという有名なシーンそのものはなかったのですが、
そのシーンを少しほうふつさせるように
セリが歩く道をランプで照らしてあげるという場面は出てきました。
あと最初にセリに頼まれていろいろ買ってくる中で、
エーデルワイスの鉢植えをリ大尉がプレゼントするんです。
少しでも気持ちが晴れるようにって。
ここで出してきたかっていう感じで
この場面にもうキュンと来ちゃいました。
ドラマではセリのためにククスを丁寧に作ってあげる
というシーンでその優しさを表現していましたが、
ミュージカルでは、花を買ってきてあげるということで
優しくてロマンのわかる男だということを表していて
とっても良かったです。
2人の共通項でスイスの話題に自然になりましたし、
のちに現代に戻ったセリがこのエーデルワイスを見て
リ大尉のことを思い出すというスイッチにもなっていましたから。
セリがプレゼントしたトマトの苗に、
「良い言葉をかけてあげると良く育つのよ」と言われて
リ大尉がまじめに話しかけるシーンもあって、
ドラマでは最後に「ピアノ」ってつぶやくのが
切なかったのですが、
ミュージカルでは、最後に「ユン・セリ」ってつぶやくんですよ。
ここがすごいキュ~んとして良かったですね。
1幕が北朝鮮パートで、
ラストはセリをかばってリ大尉が撃たれるところで幕が下ります。
2幕は韓国に戻ってきてからのパート。
ユン・セリの葬儀にセリ本人が姿を現すところから始まります。
あれ?撃たれたリ大尉はどうなったの?と
見ている方は思うのですが、
そこは、セリがエーデルワイスの鉢植えを見ながら
その別れの時を回想する形で登場します。
肩を打たれたものの大丈夫だったリ大尉は
セリを38度線のところから送り出しますが
そこで「一歩だけ、もっと」という曲になり、
お互いに心を残しながらも別れなければならない
二人の心情が切々と歌われるのです。
この歌が本当に心に残りました~。
で、そこはミュージカルなので、
この曲を歌っている間に時間が経過して、
ソウルのチョンダムドンに
リ大尉が現れる場面になるんです。
2幕ではク・スンジュンとダンのパートもしっかり出てきて
ク・スンジュンの軽妙さの中の切ない男心に涙しました。
そして飛行機のチケットを口で破って
ダンを救いに行くシーンもちゃんと出てきました!
とまあ、ミュージカルを観ながら
あ~そうだったわ~といろいろと蘇ってきて
もう一度ドラマを見返したくなるという舞台でした。
フジテレビが日本国内での独占上演権を得て
韓国版の日本への招聘公演や
日本人キャストでの上演をめざすと
ニュースになっていましたから
近いうちに日本で観られそうですね。
カーテンコールが撮影OKでした^^
【関連記事】
◆ドラマ『愛の不時着』の解説&ブログ記事は ➡ こちらとこちら
◆ミン・ウヒョクさんの記事は ➡ こちらとこちらなど
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2022年10月5日執筆