ドラマ解説
強力おすすめ
タイトル | 魔王 |
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韓国放送年 | 2007年 全20話 |
演出 | パク・チャンホン |
脚本 | キム・ジウ |
出演 | オム・テウン チュ・ジフン シン・ミナ ハン・ジョンス |
【 ドラマ紹介 】
『魔王』は、幼き日に犯した事件を巡って、12年後、当時の関係者が次々と巻き込まれていく連続殺人事件を巡るミステリーです。
社会現象を起こすほど人気を呼んだドラマ『復活』の監督と脚本家、主演男優がふたたびタッグを組んだ作品です。
正義感に燃える熱血刑事は、実は12年前に殺人を犯し、親の権力で罪を免れていたという過去がありました。その罪を悔いて生きてきましたが、過去の事件を彷彿させる事件が次々と起こっていき、捜査に当たることになるのでした。
入り組んだ人間関係や伏線などのドラマ構成があまりにも緻密なため、最初は全容を把握するのに頭を使いますが、そんな風に少しづつ明らかになっていくのがまたゾクゾクと来て面白いです。
オム・テウンが『復活』と同じく刑事役ですが、『復活』では復讐する側だったのに、今度は復讐される側に回っています。
復讐する側に立つのがチュ・ジフン。普段は人権弁護士として働いていますが、その実、十年以上も前から緻密に復讐の計画を立ててきたという恐ろしくも悲しい男を演じています。
そしてふたりの男性の中に入ってくるのが、シン・ミナ演じる図書館で働いているサイコメトリーという超能力を持った女性。彼女が事件に深くかかわり、生き地獄のような苦しみの中にいる男性2人にとって、救いのような存在になっていきます。
『復活』は復讐する側に力点を置いていて、復讐される者は悪、というわかりやすい図式でしたが、『魔王』は、復讐する者とされる者を同等に描いています。個人的に大傑作だと思っている作品。始めは謎解きの面白さで見せていくのですが、そのうちに、罪と罰を前にして苦悩する人間の深淵な心理を描き出していき、復讐する側、される側、対立していた2人が次第に合わせ鏡のようになっていき、結論の出ない答え、誰にも下せない裁き、その、どうにもならない痛ましさに胸が痛んで痛んで、終盤は涙が止まりませんでした。
『復活』も傑作ですが、『魔王』はまた一段深いところに行きついた感じです。
この作品が気に入った人は
・同じ製作陣による復讐シリーズなら
…『復活』『サメ~愛の黙示録~』
・そのほかの復讐ドラマを見るなら
…『赤と黒』『シティーハンターin Seoul』『グリーンローズ』
『カインとアベル』『ゴールデンクロス』『グッバイ・ミスターブラック』など