ドラマ解説
タイトル | 赤道の男 |
---|---|
韓国放送年 | 2012年 全20話 |
演出 | キム・ヨンス ハン・サンウ |
脚本 | キム・イニョン |
出演 | オム・テウン イ・ボヨン イ・ジュニョク イム・シワン イ・ヒョヌ |
【 ドラマ紹介 】
『赤道の男』は、赤道のような、熱い欲望を持つ人々の愛と復讐の物語です。
脚本家が『太陽の女』のキム・イニョン作家で、『太陽の女』では、女対女の演技対決が見事でしたが、『赤道の男』では、自分を裏切った友に復讐をしていく男と、父のため、自分の野心のため、友を裏切らざるを得なかった男の‘男対男’の火花散る対決が描かれていきます。
主人公のキム・ソヌ(オム・テウン)はケンカが得意な男気のある少年だったのに、父親を殺され、自分も崖から突き落とされて視力を失うという目にあい、アメリカにわたって十数年後、事業に成功し、冷徹な復讐の化身となって再び韓国に現れます。父親の死に関係した人物たちに償いをさせ、自分を視覚障害者にしたかつての友(イ・ジュニョク)を破滅させることを胸に誓っている男は、ゆっくりとじわじわと敵を追い詰めていくんですね。でも追い詰められる方も憐れみを誘うほど苦しみ壊れていく心理描写が秀逸で、凝ったカメラワークと演出も手伝って、緊迫感に満ちた対決にぞくぞくさせられる本格的復讐ドラマになっています。
その二人の男を巡って、愛と執着を繰り広げていく二人の女性の愛のかたちもこの復讐ドラマのもう一つの大きな柱になっていて切なさと憐憫を感じさせてくれます。
このドラマでは俳優たちの演技が輝いたと高く評価されましたが、特に主人公を演じたオム・テウンは、目が見えない視覚障害者の演技から、知らないふりを装って巧妙に相手を追い詰めていく演技などカリスマが光りました。オム・テウンはもともと『復活』というドラマの時から、その演技の醸し出すパワーに、名前の「オム」と力強いという意味での「フォース」をかけて「オム・フォース」と呼ばれているのですが、この『赤道の男』でもオム・フォースを存分に発揮して視聴者をくぎ付けにしました。
またオム・テウンに相対するイ・ジュニョクも、自分の犯した罪の意識におびえながらもやすやすとはやられまいと向かっていく男を渾身の演技で見せていて、憎み切れない悪役としてイ・ジュニョクの再発見とまで言われました。
この二人の、本心を隠してお互いの腹を探り合うような緊張感みなぎるやり取りがこのドラマの大きな見所です。
またそのイ・ジュニョクの子供時代を演じた、アイドルグループZE:Aのシワンがとってもよくて、美しい顔でやむにやまれず恐ろしいことをやってしまう出世欲の強い優等生の役どころに扮して複雑な心情を見事に表現していて初回から惹きつけられます。
この作品が気に入った人は
・復讐ドラマが好きなら
…『復活』『魔王』『サメ~愛の黙示録~』『赤と黒』
『シティーハンター in seoul』『グッバイ・ミスターブラック』
『ゴールデンクロス』『グリーンローズ』など