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韓国ミュージカル

ミュージカル『笑う男』あらすじと感想

 

『笑う男』については
さんざんミュージカルツアーで解説しておきながら
忙しさにかまけてブログでは書けていなかったなあと思い、
今さらですが、
簡単にあらすじと見どころ・感想などをまとめておきます。

 

『笑う男』は、ビクトル・ユゴーの小説を原作に
韓国が175億ウォンの予算をかけて
5年がかりでオリジナルで作り上げたミュージカルです。

 

最初に見たときには
とにかく美術セットが幻想的で豪華で素晴らしい!
と感じました。
どの場面も目を見張ります^^
でも描かれてる内容がやるせないので
全体に残酷な童話みたいですね。

 

でも華やかで明るい場面ばかりなので
見ていて重苦しくないんですよね。

 

以下あらすじです。
ツアーで解説するときはもっと細かく話しをしますが、
こちらではもう少しざっくりと書きます。

ネタバレしますので知りたくない方はご注意ください!

 

バイオリニストが舞台上でキャストの一人として
場面場面に溶け込みながら音色を聞かせるのが
とても雰囲気があります。

その音色に導かれながら
オープニングが1690年の船着き場から始まります。

拉致した子供たちを貴族の慰み者にするために
体に傷をつけ奇形にして売買していた
人身売買集団コンプラチコスが、
仲間が捕まったので慌ててイギリスから船で脱出しようとして
幼いグゥンプレンを置き去りにします。

 

船は嵐にあい、コンプラチコスたちは
自分たちのこれまでの罪を神に懺悔して
罪を文書に書き残して瓶に詰めて海に放ちます。

これが後々グウィンプレンの出生の秘密の鍵となるわけです。

 

置いてきぼりに去れた幼いグウィンプレンは
雪の中をさまよううちに
凍死した女性に抱かれて泣いている赤ん坊を見つけます。

グィンプレンは赤ちゃんに「デア」と名付けてさまよううちに
薬の行商をしている人間嫌いのウルススに会って、
なんだかんだ文句を言われながらも
結局は優しいウルススに引き取られることになるのでした。

 

ここから時間が15年経ち、
場面は華やかな貴族たちのガーデンパーティーへ。

この物語の主要人物であるジョシュアナ女侯爵が登場。
彼女は女王の異母妹で、女王とは仲が悪いんですね。
で、女王の口から、
「クランチャーリー侯爵には正当な嫡男がいたけど
幼い頃に失踪しているので、
侯爵の私生児であるデビッドと結婚しなさい」
と押し付けられていて
面白くないということが演じられます。

そんな彼女の機嫌を取るためにデビッドは
街で話題の見世物に連れていくのですが、
その見世物こそが、
今やウルススが率いて大人気となった見世物一座の出し物
「笑う男」でした。

 

この出し物は
グィンプレンの生い立ちをそのまま物語仕立てにしたものなので、
ここでの自分で自分を演じる姿が
大げさにカリカチュアして演じるので
面白いし、かわいいです。

とくに私はパク・ヒョシンファンなので、
彼がとまどったりはしゃいだり、
ニコニコしたり、びよんびよん~と縮んだり、
ぼよ~んと大きくなったり(爆)、
こんな表情も、こんなアクションもするのね〜
という新鮮さがいっぱい!

正直ロマンス的な萌え場面は少ないですが、
彼のあれやこれやに萌えキュンします。とにかく可愛いんです〜(^.^)

 

このショーでグィンプレンを見たジョシュアナは
すっかり彼を気に入ります。
グィンプレンも身分の高い女性からの求愛に戸惑いながらも
ちょっと浮き足だって心を揺らしますが、
心にはデアがいるので彼女への愛を打ち明けます。

でもそんな時、
海で見つかった瓶の中から出てきた文書のおかげで、
グィンプレンは実は
クランチャーリー侯爵の正当な跡継ぎだ
ということがわかるのです。
グィンプレンが「ありえないよ~」と
信じられない戸惑いの気持ちを歌い上げたところで
一幕が終了です。

 

この出生の秘密のくだりなどは
なんだかもう韓国ドラマのようですね

 

2幕はグィンプレンが豪華な屋敷の中のベッドの上で
目覚めるところから始まります。

召使たちがかしづき世話を焼いて
至れり尽くせりの対応に有頂天になるグィンプレン。

 

一方、グィンプレンが監獄のような場所に連れていかれ、
拷問されて死んでしまったと思っているウルスス達。
デアがそれを知ったら心臓が弱いので死んでしまう~
と心配して何とかごまかそうとしますが、
バレてしまいデアはショックを受けてしまいます。

 

ここでデアを膝枕しながら
「神よどうかこの子を連れていかないでくれ~」
と切なく歌い上げるウルススの歌は、
まるで『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンが
休んでいるマリウスを見ながら歌う
「ブリングヒムホーム」とかぶりますね。
特にヤン・ジュンモさんとチョン・ソンファさんという
ジャンバルジャン役者がウルススだったので~。

 

グウィンプレンは自分の本当の両親の肖像画を見ながらも
長年一緒に暮らしてきたウルススとデアのことを思い、
「今や自分は身分が高いのだから
これからは侯爵として世の中を変えていこう!」
と決心し、この決心を力強く歌い上げます。

 

その後もジョシュアナからの押せ押せの誘惑や
デビッドとの対決などを経て、
実はデビッドこそが、
赤ちゃんだったグウィンプレンをコンプラチコスに引き渡した
張本人だったということがわかります。

 

グィンプレンはそんなことは知らずに上院会議に参加します。
この世の上位1%だと豪語する貴族たち。
そんな貴族の中にあってもグィンプレンは
女王の次に身分が高いと説明されています。

この上院議会で、貴族に有利なことが話し合われているので
グィンプレンはそれに反対し
「僕がこんな顔になったのは貴族のせいだ。
でもこんな僕を助けてくれたのは貧しき者たちだった」
と発言し、
「貧しい者たちに慈悲を施すべきだ」
「目を覚ますべきだ!」
と声高らかに演説します。

この演説が歌になっているわけですが、
一番盛り上がり、聞いていて胸が高鳴ります~!
パク・ヒョシンは目元も涼やかで
明るさを湛えた瞳をキラキラさせて、
汗が照明に光って美しい。
この場面に限らず、終始彼の顔から目が離せません(爆)

パク・グァンヒョンのこの歌は
堂々と高らかに訴えるというよりも
切実に訴えかける感じがあって、
それも共感しやすいです!

 

ですが、演説が終わると
聞いていた貴族たちに一笑に付されてしまいます。
女王からも「怪物が何言ってんのよ~」くらいの勢いで
口汚くののしられて、グィンプレンは怒り爆発!

ここからは「笑う男」という歌を歌いますが、
これが
「もう俺は知らない、勝手に威張ってろ、
良心もない者どもめ、恥を知れ~」的な内容を、
怒りや自嘲、皮肉を込めた表情で
激しく貴族たちにつかみかかる感じで歌うのが圧巻です。

 

パク・ヒョシンの、
感情を爆発させて、怒り、落胆、
皮肉めいた笑い、鋭さなど
いろんな感情を内在させた表情で歌う場面なんて
「すっごい!」です。

パク・グァンヒョンも、
そうきたか!という凄みのある表情で振り向くので
もうゾクッと来るんですね。

 

『笑う男』は歌的な見せ場で言えば、
2幕のこの2曲を続けて、
でもガラリとまったく違う情緒で歌う場面が
やはり一番の聴きどころだなと個人的には思います。

 

そして、着ていたものを脱ぎ捨て
すべての権利を放棄してデアのところに戻っていくのでした。

 

ただ一人グィンプレンの言ったことに心を動かされた
ジョシュアナは追いすがるデビッドにも
「あなたのやったことは皆バレてるわよ、あなたこそが怪物よ」
と言い放ち、一人残って
「これからは別の人生を生きていこう」的な感じで歌います。

この歌が素晴らしく、
彼女の切実な心情がひしひしと伝わって来て好きです!

 

そして最後の場面。

ラストまでネタバレするのでお気をつけください!

 

 

デアはもう瀕死の状態です。
そこに現れるグィンプレン。
みんな彼は死んだと思っていましたから喜びがあふれます。

そして幸せな空気に包まれますが、
次の瞬間、なんとデアの心臓が止まってしまうのです。

デアを抱きしめて泣きながら歌い続けるグウィンプレン。

デアを一人で逝かせるわけにはいかないと
グゥインプレンは彼女を腕に抱き、
海の中(テムズ川?)に入っていくのでした…。

幸せそうに水の中に沈んでいく二人。
そんな二人を見つめるウルスス~

 

で終わりです。

 

以下全面感想ですが、

最後の最後の場面、
ウルススを演じる俳優によって表情が違うのが面白いところで、
この表情によって余韻が変わりますね。

 

ヤン・ジュンモさんは悲しいけれど
でも若い二人にとってはきっとそれが幸せなんだろうなと
あの世で幸せになれよ~という感じの
泣き笑い的な包み込む表情でしたが、

チョン・ソンファさんは私が見たときは
世の理不尽さに怒っているような
納得できないような複雑な表情でした。

 

というわけで、わかってみれば
何か暗喩があるとか
幾通りにも心情が読めるというよりは
とてもわかりやすい作品ですね。

個人的にはもう少しグィンプレンとデアの恋の部分に
萌えキュンが欲しいところです。
デアのことを愛しているのに
自分の顔にコンプレックスがあって
愛を打ち明けられないという感じを
もっと表現で前面に出してほしかったです。

ジョシュアナに迫られてタジタジする場面や
艶っぽい部分は笑えるし面白いけど
キュンとくるわけではないので。

それを思うと『ファントム』って
本当にロマンチックだったなあと思いを馳せちゃいました。

しかし、
さまざまな色合いを見せるセット・美術といい、
俳優たちの歌のうまさといい、
すごく見応えがある舞台です。

パク・ヒョシンは 芝居が細かくて、
もう登場した時の
マフラーを引き下げる時の手の動きと目の動きからして
乙女心をつかみます!

そうかと思えば、
慌てたり戸惑った時の表情や歩き方も
面白味があります。

パク・グァンヒョンも
今回、大作創作ミュージカルの初演への大抜擢に
見事に応えていて素晴らしいです。
私はグァンヒョンさん今回がお初で、
見たのは彼の初日でしたが、
まさにスター誕生の瞬間に立ち会えた感動がありました!

EXOのスホも評判がいいので見たかったけど、
もうスケジュールが合いません~。

 

10/28日までだったのが
好評につき1週間延びて11/4までになりました。
こういうところがまた韓国的です(笑)

 

 

2018年10月17日執筆