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チ・チャンウク祭りその②

チ・チャンウク祭り、続いては、
チ・チャンウクが
『兄弟は勇敢だった?!』という来日ミュージカルに出演する際、
練習中の韓国で取材した時のことを振り返ります。

 

==================2013年8月の記事です。

2013年7月30日~9月1日まで
東京六本木のアミューズ・ミュージカルシアターで上演されている
『兄弟は勇敢だった?!』。
日本公演を前に7月16日にソウルで公演の練習風景を取材して来ました。

 

演出・台本は、
手がけた作品全てがヒットしている人気女性演出家のチャン・ユジョン。
彼女を中心に俳優たちが円陣を組んで気合いが入れられたあと、
最初のいくつかの場面を実際のように演じてみることになりました。

兄役が、既に4月に日本で『カフェ・イン』の公演をしたキム・ドヒョンで、
弟役がチ・チャンウク。

彼は今年は既にミュージカル『あの日々』に出演していて、
ミュージカル・アワードで新人賞を受賞してノッているところ。
その時に信頼関係を築いたチャン・ユジョン演出家から、
『兄弟~』も是非一緒にやろうと誘われ、
やはりミュージカルの『ジャック・ザ・リッパー』と
時期的に重なるスケジュールではあるものの、
とっても嬉しく光栄だと思って挑戦することにしたとのことです。
いやあ、このへんが韓国俳優のタフなところです。
初めての役のミュージカルを2作品、
しかも主役を掛け持ちするのですから。

でも演出家に
「あなたなら出来るわよ」
と励まされてやる決断をしたそうです。

しかし、この練習日の翌日はその『ジャック~』での
彼の登場する初日だというではありませんか。
だから、この日はインタビューの時間だけの参加になるかも…と
事前に言われていたのです。
が、しっかり最初から「兄弟~」の稽古に参加していて、
その状況に、逆に取材するこちらの方が
「大丈夫なのかしら?」
と驚いてしまいました。

でもやはり忙しくて大変だそうで、
今は、医者と仲良しになっているのだとか。

日本公演が決まった時、真っ先に
「病院は近くにありますか?」
と聞いたほどだそうです。
今も、右腕にも左腕にも点滴の針のあとがありました。

「チケットを買ってわざわざ見に来てくれる人に
どう楽しんでもらえるか緊張しますが、
その緊張から練習を一生懸命にやって、
それが良い成果につながるとわかっているので、
自己管理をきちんとして本番に臨みたいです。
沢山の人に見てもらい、喜んでもらうことが望みです」
と抱負を語っていました。
ちなみに、『兄弟は勇敢だった?!』は、
父親の葬儀で久しぶりに故郷に戻った仲の悪い兄と弟が、
顔を合わせるやいなやケンカを始めるのですが、
ドタバタと随所で笑いを取って面白く見せていきながら
終盤では両親の愛にじ~んとさせられるというよくできた作品なんです。
で、チ・チャンウクはもうしっかり演技も歌も出来上がっていて、
演出家からも
「その感じでいいわ、110点!」
と褒められていました。

コメディー要素もあるので、チ・チャンウクもテンションの高い、
面白い動きとしっかりした歌声で、とにかくよく動くこと。
みるみる汗があふれ出て、
ちょっとした休憩時間にも、
テーブルの上に置かれていたトイレットパーパーをグルグルと巻き取って
それで汗を拭いていました。

そもそも、この作品、従来のミュージカルの客層である
20代、30代の女性だけでなく、
もっと韓国的で家族的で、笑いあり感動ありの
息長く続けられる作品を目指して作ったそうで、
2008年の初演の時から既に大評判となった作品でした。
大学路という中小の劇場がひしめき合っている演劇の街で観客が選ぶ一番人気のあるミュージカルにも選ばれたほどなんです。
かつては、SHINeeのオンユやB1A4のサンドゥルも演じたことがあります。

チ・チャンウクとコンビを組む兄役のキム・ドヒョンは、
演劇俳優からミュージカルに進出した人。
2年間舞台活動を休止して自分の声に合う先生を探して
みっちりとレッスンを積み重ねただけあって、
安定した歌唱力と演技力に定評があります。
チ・チャンウク以外は去年も『兄弟は~』に参加したメンバー。
ドヒョンさんいわく、
「去年と同じメンバーという既に出来上がっているカンパニーの中に
チ・チャンウクさんは一人、一番年下として参加しているので、
萎縮してしまうんじゃないかと心配したけど、
彼はとっても積極的に構えずに飛び込んできてくれたので、
本当に勇敢な人だと思う」
と褒めていました。

その言葉通り、チ・チャンウクは休憩時間も皆の輪の中に入って
楽しそうに笑っていましたし、
演技も動きも歌も、もういつ本番を迎えても遜色ないくらいの
仕上がりになっていました。

チャン・ユジョン演出家も
「チ・チャンウクという良い役者に出会えたことは大きな宝物です」
とべた褒めでした。

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この取材のあと、
私は何日かソウルに滞在していたので、
チ・チャンウクにとっては2日目の『ジャック・ザ・リッパー』の舞台を
見たのですが、
初々しさと狂気とをしっかり表現できていたのはもちろん、
歌が予想以上にうまいなあと思い、
しかもこんなに忙しい状況で、
まあプロなら当然と言えば当然なのでしょうが、
それでも、きっちりできていることに感心したのでした。

カーテンコールで共演者のイ・ゴンミョンさんから
「お疲れさま、がんばったな」という感じで
ポンと肩に手が置かれると、
顔全体でほっと深い息を吐いたチ・チャンウクさんの姿が
すごく印象的でした。

 

チ・チャンウク祭りその③に続く…

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