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チェ・ウヒョクさんインタビュー

現在、東京のシアタークリエで絶賛上演中のミュージカル
『ダーウィン・ヤング悪の起源』は、実は韓国発の作品。

パク・チリさんという30代で夭逝した作家の
1000ページ近くにもなる遺作小説のミュージカル化で

架空の階級社会がはびこる社会で
祖父、父、息子の3世代に渡って
悪が巡っていってしまうという壮大なお話しで、
ソウル芸術団によって2018年に
韓国で初演を迎えました。

ソウル芸術団の作品はいつも上演期間が短いので
この時もわずか6日間だけの上演だったのですが、

内容が重いにもかかわらず
観客からの大好評で翌年にも再演が行われ、
21年には三度目の上演も行われました。

その作品が今、日本のスタッフ、俳優たちによって
上演されているわけですが、
元の韓国で初演、再演と
主人公の高校生ダーウィン・ヤングを演じてきた
チェ・ウヒョクさんが、この舞台を観るために来日。

お話をうかがうことができたので
ご紹介していきますね。

まずはチェ・ウヒョクさんとは…

2015年の『フランケンシュタイン』でいきなり
アンリと怪物の二役を演じて、
それこそ怪物級の大型新人と言われたほど
華々しくデビューしました。

その時の驚きは忘れもしません。
新人でこんな難役を立派にやってのけるなんて!
とびっくりしました。

憂いがあってはかなげな美しさが漂う美少年の顔なのに
歌声は意外に低くて太いというギャップに
これまた驚いたりして。

その後も数々の作品に出てキャリアを積み、
軍隊に行って、昨年11月に兵役を終えて戻ってからは
『アマデウス』でモーツァルトの役を、
そして現在は『パリのパン屋』で
パティシエ志望の青年を演じています。

その公演の合間を縫っての来日観劇でした。

本当にお久しぶりにお会いしたチェ・ウヒョクさんは
日に焼けたお顔が精悍で、そして相変わらず美しい~。

以前は美少年的なはかなさが感じられましたが、
今は細身ではあるものの、
頼もしく成熟した雰囲気が漂っていました。

そして笑顔がさわやか!
イケメンの威力をまざまざと感じた時間となりました。

そんなチェ・ウヒョクさんにとって、
『ダーウィン・ヤング 悪の起源』は
並々ならぬ思い入れのある作品ということで
その思いのたけをうかがいました。

「自分にとって初めてのタイトルロールだったんです。
パク・チリ作家の遺作だし、共演の俳優たちとも

この作品でしくじったら俺らみんな引退だなと話しながら
これが自分の最後の作品になるかもしれない
というくらいの覚悟で取り組みました」

 

とのこと

 

「稽古のあいだじゅう俳優みんなでディスカッションを重ね、
日々感情が激しく行き来して、不安やストレスが重なって
みんなが泣き出したりとかして大変でした。
だから、自分のすべてを捧げた作品で、
ない能力までも引き出して演じたんです。
韓国では、誰にも奪われたくない作品です」

 

ただ、小説上の活字を肉付けして
キャラクターとして起こしていく作業はものすごく大変で
はたで見ていても顔が憔悴して
どんどん顔がどす黒くなってきたほどだったとか。

だから再演は引き受けない方がいいんじゃないかと
事務所の方も思ったそうですが、
ご本人としては、初演のあと小説を読み直したら
見落としていた部分があったんじゃないかと
いろいろと気づきがあったそうで、
再演のオファーにも迷わず
出ますと返事をしていたそうです。

 

初演の時の初日のエピソードを話してくれました。

「最初台本をもらったとき、
その場で全部読み上げてしまったくらい引き込まれて

無条件にこれをやりたいと思いました。
社会問題的なことや人間の本性にまつわる話も込められていて
韓国の市場ではそういった作品がなかったんです。
なので、当時業界内では、こんな重い話は
コケるだろうとみんなが噂していました。

初演の初日、全席満席だったにもかかわらず
カーテンコールの時の拍手が小さかったんです。
なので幕が下りた瞬間、俳優たちみんなで、
ああ俺らもう終わった~。
観客に理解してもらうことができなかったんだなと
憂鬱な気持ちで楽屋を出たら、
ロビーに観客の半分以上が残ってくれていて
拍手して迎えてくれたんです。

聞けば、観終わった後、ガツンと来るものが大きすぎて
拍手することを忘れてしまったらしく、
しっかり拍手ができなかったので、
改めて俳優たちに拍手を送ろうと残っていてくれたというのです。

そんな感じでしたので、
僕は毎回カーテンコールで泣かない日はありませんでした」

 

あまりにも熱く語ってくれるチェ・ウヒョクさん、
何がほかの作品と違ったのかを尋ねると


「(これが受けるだろうという)市場を狙った作品が多い中、
『ダーウィン・ヤング~』はパク・チリ作家の遺作自体を
あるがままに世の中にミュージカルとして出したい
という気持ちが大きくて、
僕もミュージカルに出演したというよりは、
この作品は僕が初めて
制作陣と一緒に作り上げていった作品という意味で、
ほかの作品とは違ったと思います。

これから僕がどんな作品をやることになったとしても
あのタイミングでこの作品が僕に与えた感動は特別で、
僕がもっと歳を重ねて(父親役の)ニース・ヤングになるまでは
ダーウィン・ヤングが最高の役だと思います」

 

そして、韓国のミュージカルらしく、
曲がこれまた高音域まで行くのです。

最初に作曲家の方が曲を聞かせてくれたときは、
音符を見間違えたかな?と思うほど
ものすごく高い音を出さなきゃいけなくて~

作曲家の先生から’’音域に限界はない。妥協はない’
と言われて、
’’高い音域で歌ってこそ、その感情表現が可能になるから’’
という言葉に必死に練習しました。

全部キャストがシングルキャストだったのもあって、
舞台に上がる前には、
お互いにのどのために会話はしませんでした。

この作品ほど、のどの管理に気を遣った作品はありませんで、
練習開始から最後の公演が終わるまで、
誰一人お酒に手を付けなかった唯一の作品でした」

いやはや、いかに苦労をしたかが
伝わってくるエピソードです。


そして、チェ・ウヒョクさんが20代で演じた
高校生ダーウィン・ヤングの役を、日本では
18歳の2人が演じていることについて

「韓国では10代であの役を演じられる俳優は
なかなかいないのに、日本では
年齢に合った俳優さんでやっていることが羨ましいし、
感激しています。抜擢した側も勇気がいっただろうし
役を受ける側も、度胸もやれる力量もあるのが
素晴らしいと思います」

 

日本のキャストたちも youtubeで
チェ・ウヒョクさんが歌っている映像を観ていて
尊敬しているとのこと。
夜公演の始まる前にキャストたちに会って激励をしたあと
6月13日の夜公演を観劇されました。

同じ役で悩みが共感できるだけに
思いがあふれた交流になったであろうなと想像できます。


そして観劇後の感想もいただきました

以下はチェ・ウヒョクさんからの感想です

 
「本当に素晴らしかった!
不思議な経験で、演出的に日韓違う部分が多く、
韓国で上演した劇場よりも制限があったにも関わらず、
ドラマの内容を解きほぐしていく、
照明と映像がすごかったです。
 
また、僕が一番愛する作品を外国で見ることが
本当に幸せな経験だったし
ダーウィンを引き受けた蒼くんは
あまりにも純粋で澄んだダーウィンをよく表現してくれて、
そんな新しい蒼くんのダーウィン像を見れて、
とても幸せでした。
 
何よりも、
たった10代でダーウィンを引き受けたことに対して、
立樹くんも蒼くんもとてもすごいと思いました。
 
最後に、この『ダーウィン・ヤング 悪の起源』
という作品が日本でも末永く幸せに、
観客の皆様から支持を受け、
愛される作品になることを願っています。
 
2023年6月13日
チェ・ウヒョク
 
 
ミュージカル『ダーウィン・ヤング 悪の起源』は
6/25日までシアタークリエにて上演中
公式サイトは➡こちら
 

 

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2023年6月15日執筆

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