ドラマ解説

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強力おすすめ

タイトル 風の絵師
韓国放送年 2008年 全20話
演出 チャン・テユ
脚本 イ・ウニョン
出演 ムン・グニョン パク・シニャン ムン・チェウォン ペ・スビン

【 ドラマ紹介 】

『風の絵師』は、18世紀、イ・サンこと正祖の時代、キム・ホンドとシン・ユンボクという朝鮮後期最高の画家として知られる実在の2人の画家を主人公に、シン・ユンボクは実は女性だったという大胆奇抜な発想で描き出した同名のベストセラー小説のドラマ化です。

このドラマが巧みだなと思うのは、一枚の絵によって秘めた情事が暴かれそうになったり、王の肖像画を巡って改革派と保守派の権力争いがおこったり、事件の中心にはすべて絵が存在し、それをさらに絵で解決していくところです。現存する二人が残した名画の数々に、想像を膨らませたエピソードをフィクションで作り上げ、ストーリーの中に見事に溶け込ませてドラマチックな物語に仕上げていく手腕が素晴らしいです。

中盤までは、シン・ユンボクが絵師としての、絵を描くとはどういうことなのかを師匠のキム・ホンドを通じて学び取っていく芸術家としての成長物語が描かれ、14話あたりからは、二人が王の密命を受け、「ダビンチ・コード」のように、絵の中にこめられた意味を手掛かりに謎を探っていくというミステリー味を帯びさせながら、二人の間に微妙な感情が芽生えていく過程を見せていきます。

パク・シニャンは、自分の弟子として、友として、想い人として、ユンボクに複雑な感情を抱きながら常に彼女を見守っていく存在で、激しさと抑制をきかせた演技の両極を見せています。そして男としても女としても生きられない悲しみを背負った人物を演じたムン・グニョンの、澄んだつぶらな瞳からポロポロと零れ落ちる涙はまるで宝石のように美しく感じられます。ムン・グニョンは見事にユンボク役をやり遂げ、SBS演技大賞で最年少で大賞を受賞しました。またユンボクと特別な縁を結ぶキーセンを演じたムン・チェウォンの香り立つ憂いと美しさも目を引きます。

師匠と弟子でありながら、互いの命を投げ出さんばかりの二人の天才画家の魂の交流と共感。そして一枚の絵から立ち上ってくる描き手の情熱と思い。

ドラマの中で数々の名画を鑑賞する醍醐味もあり、その素晴らしさに心打たれながらも、風雅の漂う、秘めやかな恋しさが募る作品です。

 

作品が気に入った人は

・ドラマ同様、シン・ユンボクが女だったという観点で描いている映画なら
…『美人図』(映画)

・芸術家を主人公にした時代劇なら
…『ファン・ジニ』『火の女神ジョンイ』『酔画仙』(映画)

・同時代の理解を深めたいなら
…『イ・サン』など

・ミステリーテイストの時代劇なら
…『秘密の扉』『根の深い木』『漢城別曲』『正祖暗殺ミステリー8日

・男装女子が主人公のドラマなら
…『雲が描いた月明り』『トキメキ☆成均館スキャンダル
 『大切に育てた娘 ハナ』『美男<イケメン>ですね』
 『コーヒープリンス1号店』『花ざかりの君たちへ』など