ドラマ解説
強力おすすめ
タイトル | 快刀ホン・ギルドン |
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韓国放送年 | 2008年 全24話 |
演出 | イ・ジョンソプ |
脚本 | ホン・ジョンウン ホン・ミラン |
出演 | カン・ジファン ソン・ユリ チャン・グンソク |
【 ドラマ紹介 】
『快刀ホン・ギルドン』は、カン・ジファン主演、韓国民なら誰もが知る朝鮮時代の古典小説のヒーロー、ホン・ギルドンを現代風にアレンジした、ラブコメディー要素満点の明るく、切ないフュージョン時代劇です。
両班家の私生児として、父を父と呼ぶことも許されず、それこそ厄介者のように育てられ、放蕩息子となっているホン・ギルドン(カン・ジファン)。陰謀にハマり、追い出されるように家を出た彼は、やがて義賊となり、弱気を助け、強きをくじく、庶民のヒーローになっていきます。
4話まではコミカルテイストが満載なんですが、5話あたりからシリアス路線が増えてきて、切ないラブストーリーへと移って行きます。
脚本が、明るく切ない胸キュンラブを描かせたら天下一品、『ファンタスティック・カップル』『マイガール』などのヒットメーカー、ホン・ジョンウン、ホン・ミラン姉妹。ここでも、笑って見ていると、次の瞬間キューンとさせられ、回を追うごとに切なさいっぱいの展開になって行きます。
親の愛に飢え、傷つきやすい心を持ち、恋も切なければ、生き方も切ない、ホン・ギルドン。明るく振舞うからこそ余計に悲しさを誘い、カン・ジファンの出演作中、最も切ない人物像で、そして、最もかっこいいカン・ジファンがここにいます。
そんな彼に対抗するのが、少女漫画から抜け出てきたようなビジュアルのチャン・グンソク演じる若君。自分の居場所を奪った、国王である兄に復讐するべくストイックに生きていて、彼もまた、幸せとは無縁のかわいそうな人物です。ホン・ギルドンがヒーローなら、若君はまさに‘月影のプリンス’。この2人の切なき男が1人の女性を挟んで繰り広げる三角関係には間違いなく心を持って行かれるでしょう。ソン・ユリが演じる、元気はつらつ、男勝りで純粋で、少々間の抜けたヒロインが愛らしくて、視聴者から大いに愛されたカン・ジファンとソン・ユリは、このドラマでそろって百想芸術大賞ドラマ部門の人気賞を受賞しました。
ドラマの序盤はドタバタ色の強いヒーローものかと思わされますが、見進めていくにつれ、単純な善悪対決の痛快ドラマではなく、胸の痛む人物たちが、自分に何が出来るのか、何をなすべきかというアイデンティティーを探しながら、理想と現実のせめぎ合いの中で、希望と挫折を味わって、それでもなお、いい世の中を作りたいとあがいていく、泣き笑いさせながら複合的なテーマが浮かび上がってくる深いドラマだということがわかります。恐るべし、韓国ドラマ、恐るべし、脚本担当のホン姉妹です。
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