取材レポ・コラム

コラム・取材レポ一覧に戻る

今注目の新鋭スター、カン・ジファン

オリコングループ発行「月刊デ・ビュー」2007年9月号より(※掲載元の許可を得て載せています)

次から次へと新たなスターが登場し、日本でも彼らへの関心が高まる中、また1人新鋭スターが日本で注目を浴び始めている。それは、韓国の大人気ドラマ『がんばれ!クムスン』に主演したカン・ジファンという俳優だ。このドラマがスカイパーフェクTV、ケーブルテレビの衛星劇場や地方局などで放送され始めるやいなや、カン・ジファン人気もじわじわ、ググッと上がってきているのだ。

このドラマは、新婚3日で夫を事故で亡くしてしまったシングルマザーの奮闘記を、新たな恋を交えて、笑いあり涙あり大感動ありで楽しく切なく見せてくれるファミリードラマで、個人的にも私が心底お薦めしたい作品。劇中のカン・ジファンは最初不遜な感じのいけ好かない医者なのだが、クムスンというヒロインを好きになるにつれ、どんどん人間的な成長を見せ、彼女と彼女の子供を愛するようになっていく、お茶目で魅力的な人物を演じている。見た誰もが思わずファンになってしまう男性像だ。


カン・ジファンの俳優経歴を紹介すると、もともとはミュージカル出身。

「俳優になりたかったけれどどうすればいいかわからなくて、周りで芸能界について詳しい人がいないか探した結果、唯一ミュージカル系の人を捜し当てたんです。その人から、ミュージカルなら、演技も歌も踊りも一緒に習えるからその後の役者人生の土台になるよと薦められました」

そこでさっそくオーディションを受けることに。しかし……。

「100人以上受けた中で僕は基礎も出来ていなかったので、背の高い男がでくの坊のように体を動かすのがおかしかったようで、審査員みんなに笑われて惨憺たるものでした」という。でもそこでくじけなかった。

「舞台に上げてもらえなくてもかまわないから、掃除でもキャストのケアでも何でもやりますから練習を受けさせてくださいとお願いしました」

そんなところからスタートして、2年後の2004年にはミュージカル『グリース』で主役を演じるまでになった。ドラマにも出演し始め、2005年の『がんばれ!クムスン』で初の連続ドラマの主役に抜擢。最初は演技が固いといわれたが、ドラマの役柄同様にみるみる成長を見せ、感情表現豊かな演技を披露するようになり、MBC放送局の演技大賞で男子優秀演技賞と新人賞を受賞した。その後はメイン枠のドラマの主役に堂々と名を連ねるようになった。

そのカン・ジファンが7月に初の公式来日を果たし、ファンミーティングを行ったのだが、ミュージカル経験の賜物か、さすがにステージ上での見せ方がうまくて、歌を歌う場面では、けれんみたっぷりに楽しそうにパフォーマンスする彼の一挙手一動にファンは大歓声を上げ大喜びだった。トークのコーナーでは、実に飾りなく、率直に話をしてくれ、しかも面白いのでまたまたその人柄に好感度がアップしたのであった。

彼の魅力を知るには、まず『がんばれ!クムスン』をご覧になっていただきたいが、カン・ジファン曰く、「『がんばれ!クムスン』は自分の出世作ですが、自分を‘俳優カン・ジファン’にしてくれた作品が『90日、愛する時間』です」と並々ならぬ思い入れを持っているシリアスな恋愛ドラマも要チェックだ。

延長戦コラム

日本で行われるファンミーティングはどうしても男優中心になっているが、6月には『チェオクの剣』『バリでの出来事』などで知られる女優ハ・ジウォンのファンミが開かれた。彼女は、スター女優であるにもかかわらず、どんなに厳しい撮影状況でも頑張りぬく、誠実で根性の人として制作スタッフからも誉められる女性。「もともと好きなことはとことんやるタイプ」だそうで、演技するのも好きだから頑張れるのだとか。すごく情の温かさを感じさせる人なので、今回も日本のファンのためにと、一生懸命に覚えた日本語で「足を運んでいただき誠にありがとうございまず。お会いできる日を心待ちにしていました。こんな風にファンの皆様に会えてものすごくドキドキしますし、嬉しいです」と結構長めの挨拶をしてくれ、大拍手をあびていた。

そんな彼女が今回ファンのために選んだのがマジック披露。本番では思わずタネが明かされてしまう失敗もあって、「あんなに練習したのに~」と泣き顔になったのもご愛嬌。鳩が出てくるマジックでは、「実は鳥がすごく恐いのですが、あんな恐い子と2週間も過ごした努力をご理解下さい」とかわいい声で謝っていた。噂どおりに素敵な人だなあと、ハ・ジウォンのファンを思う気持ちが十二分に伝わってきたファンミだった。