ドラマ解説

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タイトル 彼らが生きる世界
韓国放送年 2008年 全16話
演出 ピョ・ミンス
脚本 ノ・ヒギョン
出演 ヒョンビン ソン・ヘギョ オム・ギジュン ソ・ヒョリム チェ・ダニエル

【 ドラマ紹介 】

『彼らが生きる世界』は、『フルハウス』のピョ・ミンス監督、『愛の群像』のノ・ヒギョン脚本家という、韓国でも厚いマニアファンを持つ名コンビの二人がタッグを組み、ヒョンビン、ソン・へギョという2大スターを起用してドラマ制作の世界を背景に、懸命に働いて、恋をして、生きていく人々を描いたドラマです。

強気で生意気な女性監督ジュニョン(ソン・ヘギョ)と穏やかで周囲に慕われる監督ジオ(ヒョンビン)。過酷なドラマ作りの現場で働く彼らは、大学時代に付き合ったことがあるものの、今は職場の先輩後輩として互いを意識しながらも仕事に打ち込んでいます。そんな彼らが再び恋をして、揺れ動いていく恋模様をメインに据え、一匹狼の監督(オム・ギジュン)と新人女優(ソ・ヒョリム)の恋や、ドラマ局長(キム・ガプス)と大女優(ペ・ジョンオク)の恋、ベテラン女優たちの日常に、脚本家やスタッフたちの苦労などなど、ドラマ作りのさまざまなエピソードを組み込みながら、いくつもの恋の話やそれぞれの立場の孤独に丁寧にスポットが当てられていきます。

終わってみれば、ドラマを作る彼らにもそれぞれのドラマがあり、それぞれが主人公だというメッセージが浮かび上がってくるでしょう。ドキュメンタリー性を持たせたドラマを目指したということで、臨場感あふれる撮影現場や職場の様子が描かれていき、ただでさえトラブル続出のハードな仕事環境なのに、恋のほうも晴れのち曇り、荒れ模様で、いやあ、大変ねえあなたたち! と思わず声をかけたくなってしまうほど、まさに‘彼らが生きる世界’をそばで覗き見しているような気持ちになります。

ヒョンビンとソン・へギョの二人のラブラブモードは思わず見ていて頬が緩んでしまいますが、この主役二人の存在もさることながら、私の個人的な萌えポイントは彼らの同僚監督を演じたオム・ギジュンでした。厳しさの中にふとにじむ愛を見せて、彼はこの演技でKBS演技大賞の助演男優賞を受賞。このドラマを見ていけば、きっと彼のことが気になる存在になるでしょう。

主人公たちの心の声となってつむぎだされる感性的なセリフで、揺れ動く男女の心情を掘り下げて描いていき、ドラマ作りにかかわるさまざまな人物たちの気持ちを丁寧に描写したとして、韓国でも‘名品ドラマ’との評価を受けました。

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