ドラマ解説

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タイトル バリでの出来事
韓国放送年 2004年 全20話
演出 チェ・ムンソク
脚本 キム・ギホ
出演 チョ・インソン ハ・ジウォン ソ・ジソブ パク・イェジン シニ

【 ドラマ紹介 】

『バリでの出来事』は、4人の若者の思いが交錯していく緊迫感のある濃密な恋愛ドラマ。昨今のラブコメばかりを見ている人にとってはちょっと衝撃的な作品かもしれません。明るくテンポ良く始まりながら、どんどん悲劇の色調を帯びていき、のっぴきならない展開となっていきます。

金持ちのボンボン息子と貧乏に生まれた成績優秀なエリート青年。そして貧乏娘と上流階級のお嬢様。始まりはバリ島で、最初はボンボン息子とエリート青年はお嬢様を巡って三角関係の位置づけとなるのだが、バリから舞台をソウルに移してからは、貧乏娘をあいだに挟んで複雑な三角関係が構築されていく。

金持ちと貧乏人。韓国で貧乏に生まれ育つとこんなにも虐げられ蔑まれなければならないのかと思うほど、どうにも溶け合えない2種族の対比が、切実さとやるせなさで彩られています。

タイプの違う良い男がヒロインを奪い合うという、韓国ドラマでは定番の設定ですが、そこにこのドラマのキーポイントになっている‘プライドとコンプレックス’が複雑に入り混じり、屈折しているがゆえに、誰も自分の本当の気持ちに気が付けず、悲劇を呼んでいく。そんな人間の持つ卑屈さや、やるせなさが描かれた韓国ドラマの真骨頂です。

特に遊び人の御曹司を演じたチョ・インソンの、傲慢だけれど、愛を知ってからは情けなくもかわいくもなって、愛にのめりこんでいく男の姿がツボでした。金持ち一家だからこそ、愛は自分の自由にならず、愛する女性に切実に愛を求めながら壊れていく男の姿には胸がズキズキするほど痛みます。これでチョ・インソン落ちした人は数知れずです。

ソ・ジソブの、クールな中にやさしさを秘めた哀愁漂う演技も素敵でした。そしてハ・ジウォン演じるヒロインが、さげずまれることもしょっちゅうのやるせない人生に耐えかねて泣く姿は、まるで捨てられた子供のように不憫を誘い、こちらまで胸が痛みます。二人の男性の間で翻弄されるハ・ジウォンも拍手ものの名演技でした。

人物の気持ちがみんな屈折していて、人物たちの本心がなかなか見えないからこそ、そのもどかしさが次の展開を期待させる。ワインの香りに酔わされるように、濃厚なチーズをちょっとづついただくように深く味わえる作品です。

 

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