ドラマ解説

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タイトル 秘密の扉
韓国放送年 2014年 全24話
演出 キム・ヒョンシク
脚本 ユン・ソンジュ
出演 ハン・ソッキュ イ・ジェフン キム・ユジョン キム・ミンジョン パク・ウンビン ソ・ジュニョン

【 ドラマ紹介 】

『秘密の扉』は、イ・サンでお馴染みの正祖の父親で、米びつに入れられて亡くなった悲劇の王子、思悼世子の生涯を、宮中で起きた殺人事件を絡めて描いていくミステリー時代劇です。

時は朝鮮王朝21代王、英祖の時代。後に思悼世子と呼ばれる世継ぎ王子のソンが王の代理で政務を行っていた20歳頃のことでした。30年前、英祖がまだ王に即位する前に無理やり署名させられたある連判状。それは、英祖と、一大勢力を誇っていた老論派との密約であり、世に出たら一大スキャンダルになる代物でした。

このドラマは、その王室と宮廷を揺るがす秘密文書をめぐって、世子の親友だった宮廷絵師が殺され、この事件を世子が暴いていくことによって父王と老論派との緊張関係が増していくさまが描かれます。

思悼世子は父王との葛藤で精神を病んでいたという歴史上の記述もある人物ですが、このドラマでは、崇高な理想を掲げながらも政争の犠牲となり、非業の最期を遂げざるを得なかった王子として描いています。王の命運さえも手中に収めている老獪で冷酷な重臣たち。そんな中で正しく理想を貫こうとする世子の純粋さが痛々しいほどです。

実際の歴史上の出来事に、架空の事件、架空の人物という虚実取り混ぜて展開されていき、少々難しいですが、重厚な時代小説を読み解いていく感覚が味わえます。

思悼世子を演じるイ・ジェフンがいい! 高い志を持つ凛々しさと、現実に折り合えず、周囲と対立せざるを得ない真っ直ぐさ。そんな、瞳に悲しみをたたえた世子が、見ていてやるせないです。

また英祖を演じるハン・ソッキュのエキセントリックな演技が見るものを翻弄し、終盤に近づくにつれ、父親として、君主としての間で深い苦悩に揺れていきます。この2人の張り詰めたやりとりが素晴らしくて、特に最終話の24話は圧巻です。父の思い、世子の思い、どうにもならないやるせなさに涙涙でした。

『イ・サン』『トンイ』とご覧になった方にとっては、おなじみの歴史上の人物が出てくるドラマですが、描かれるイメージがずいぶん異なるのでそれもまた一興かと思います。

 

このドラマが気に入った人は

・ミステリータッチで歴史を描いていく作品なら
…『根の深い木―世宗大王の誓い―』『天命』『漢城別曲
 『正祖暗殺ミステリー8日』『風の絵師

・思悼世子を描いた作品なら
…『大王の道』『王の運命―歴史を変えた八日間―』(映画)『イ・サン