スター列伝・スターコラム

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略歴

チェ・ミンス

骨太で、角張った顔立ち、「俺が男だ」といった頼もしさなど典型的な韓国人男性のイメージを最もよく体言化している俳優さん。韓国芸能界において、その存在はもはやカリスマとなっている。

父親は有名俳優で、国会議員にもなったチェ・ムリョン氏。しかし、恵まれた環境にありながらも1985年のデビュー後数年は売れずに苦労したらしい。90年には、朝鮮戦争で南に取り残された北のパルチザンを描いた問題作『南部軍』で詩人役を演じ青龍賞助演男優賞を受賞、それ以降頭角を現してきた。クールなタフガイイメージが強いが、90年代の初めは韓国映画のロマンチックコメディ路線の火付け役となった92年の『結婚物語』や、『ミスターマンマ』などでの等身大の30代男の役柄がはまっていた。時には弱くて情けない部分も見せる男性像は、香港映画でいうと、ケニーBが得意とした役どころ。テレビでも大ヒットを記録したファミリードラマ『愛は何だ』でお茶の間でも人気を博すようになった。

そんなチェ・ミンスが路線変更のきっかけとなったのは95年の韓国ドラマ界の金字塔『砂時計』。このなかで武闘派の主人公パク・テスを演じ、それ以降はドラマの中のタフガイイメージそのままに、影を背負った、アクション演技ものへの出演が続くようになる。95年大鐘賞や青龍賞で主演男優賞に輝いた『テロリスト』を始めとして『インシャラ』、『幽霊』、ドラマの『白夜3.98』などすっかりストイックな役が板に付くようになった。時には『ピアノマン』の長髪の変質的殺人鬼のような、良くこんな役引き受けたなあというようなものにも挑戦している。

94年に結婚したお相手がカナダに移民していた韓国人ということで韓国語より英語がうまいらしく、そのせいでチェ・ミンスの会話には良く英単語が混じるのだそうだ。そんなところがタフガイイメージとギャップがあって、親しみが感じられる。

最新作の映画『チュ・ノミョンのベーカリー』では妻思いのパン屋さんを、ドラマ『愛の伝説』では人妻となったかつての恋人と再会した弁護士というメロドラマを演じている。

 

※2000年6月発行「韓国エンターテイメント三昧」(芳賀書店)より
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略 歴

1962年生まれの42歳。韓国ナンバーワンのカリスマを誇るトップスター。骨太で角ばった顔立ちで、男の中の男を感じさせる頼もしさなど、典型的な韓国人男性のイメージを最もよく体現化している人ではないかと思います。
有名俳優で国会議員も務めた父を持ち、映画にテレビにと活躍してきました。
90年代初めにはロマンチックラブコメディー作品などで、時には弱くて情けない姿も見せる等身大の30代男の役がはまっていましたが、95年に韓国現代史を扱った国民的名作ドラマ『砂時計』で組織暴力団に足を踏み入れていく武闘派の主人公を演じて脚光を浴びてからは、ドラマのイメージそのままに、影を背負った男っぽいタフガイの役が続くようになりました。そんな中で『暗黒街の帝王・ブラザーコップ』、そして99年の『ユリョン』で、韓国のアカデミー賞、大鐘賞(テジョン賞)で2度最優秀主演男優賞を獲得しています。(2004年5月)