スター列伝・スターコラム
チソン
『ボスを守れ』が地上波で放送されたこともあって、以来、新たなファンを獲得しながら日本での知名度を拡大しているチソン。
話し方も立ち居振る舞いもシャキシャキっとしていて一陣の風のような清潔感が漂う人。すっきりとしたハンサムぶりに加えて澄んだ瞳の‘瞳の貴公子’で、理路整然と、ときおりジョークを交えながらもざっくばらんに楽しく話すおしゃべり上手。そのうえ声が魅力的なので、チソンがしゃべるとうっとりする女性が続出するという。
しかし、顔立ちも性格も整いすぎていて、以前は「2%足りない男」と言ういわれ方をしていた。でも軍を除隊して戻ってきてから手堅く良い作品に出演しつづけ様々なタイプの役に挑戦して演技の幅を広げてきた。派手に大ブレイクを遂げるということはなかったが、着実に成長し存在感を漂わせる俳優になってきたという感じだ。
そんな彼が、先日、私がMCを務める番組にゲストで出てくれた。話が長い人ということはわかっていたが、今回改めて思ったのは、とってもクレバーだということ。どんなに長く話しても聞き手の聞いたことは忘れずに答えてくれる。話しているうちに内容があっちこっち行って結局3つくらい聞いたうちの一つにしか答えずに終わってしまう人も多いのに、チソンの場合はそこはちゃんと覚えていて答えるのだ。忘れてなかったのね…と感心してしまう場面が何度もあった。
番組はチソンの魅力をみんなで語ろうという趣旨だったのだが、彼が質問にじっくりと丁寧に答えてくれるので、まるで彼の人生観と演技論を聞く講演会のような感じになった。『オールイン』で共演したとき、先輩のイ・ビョンホンに大いに刺激を受けたことや、実に細かく役作りしているのだなあということや、作品選びのこだわりなどなど、話し倒して番組収録時間も1時間半の予定が2時間半に。おかげで、1時間番組のはずが急遽90分に延ばして放送されることになった。『ボスを守れ』では、ちょっとはじけたような子供のようなキャラクターだが、素顔の彼は、茶目っ気はありながらも、実に真面目な爽やか青年なのであった。
※2012年12月号「私の時間」(ヒロ・コミュニケーションズ)より
記事の転載はご遠慮ください