『モンテクリスト』 – 田代親世の韓国エンタメナビゲート

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『モンテクリスト』

 

12月の9~11日でソウルに行って
『モンテクリスト』2回と『ファントム』3回観てきました。
『モンテクリスト』といえばリュ・ジョンハン!

やっぱりリュ・ジョンハンには
『モンテクリスト』が似合いますね。
『マタハリ』も『ジャック・ザ・リッパー』も良かったけれど、
役柄として、その作品を代表するキラーソングを歌うわけじゃなかったので、
聞く立場からするとなんか物足りなさを感じてしまったものですが、
『モンテクリスト』はなんといってもタイトルロールですから、
最初っから最後まで活躍してくれます。

そしてもう余裕の大人のカッコよさでした。
苦み走った顔でニヤリと鋭く微笑んだ日には、
劇場の乙女たちがひゃ~あとため息交じりの歓声を上げるという、
その威力がすごかったです。
やはり舞台に立つ人は色気が大事!と思うのでした。


そして、一見お笑いとか苦手そうに見せかけながら、
何気にコミカルな間合いのセンスが抜群に上手くて達者なんですよね。
とぼけた表情やへっぴり腰の歩き方なんかも完璧で(笑)、
その後、伯爵になってからの堂々たる威厳やカリスマとのギャップが
際立ちます。

また伯爵の赤の裾長のガウンが似合っていて
ゴージャスですね。

そして1幕最後に歌う‘地獄ソング’はもうすでに芸ですね。
リュ・ジョンハンさんの持ち芸って感じです。

劇場内のみんながあの歌を聞くのを待ち構え、
期待通り、いや期待以上に歌い上げてくれて、
うわぁ~やっぱりすごいわ~という
興奮と高揚感を胸に抱きながら
トイレに駆け込むということになっています(笑)。

 

常々、ミュージカルは歌舞伎を見るのと似ていると
思っています。
ストーリーを楽しむために見るというよりも、
話の流れなどは全て把握して、
どこで何が行われるかを知ったうえで、
じゃあこの役者はそのシーンをどのように演じてくれるのか?
どんな風に見得を切るのかというのを楽しんで見るという具合に。

ミュージカルの場合は、どんな役作りをして
この代表曲をそれぞれどう歌いこなしてくれるのか?
というところが鑑賞のポイントになってくると思います。

リュ・ジョンハンさんの場合は
怒りがスパークして所々シャウトしながら
あのパワフルボイスで激しく歌うので、
もうド迫力なんですね。

リュ・ジョンハンさんの柄にとっても似合う作品で
大満足でした。

カーテンコールがひときわかっこいいんですよね。
シュッパーッと煙?が吹きあがる中を走り出てきて
ロングコートを翻すんですよ。
見せ方を心得ていますね~。
劇場内はまたしても‘ひゃ~あ’ってなってました(爆)

で、『モンテクリスト』という作品は、
牢獄からの脱出があったり、
海賊船が出てきたり、宝の島を訪ねたり、
カーニバルがあったりと
ディズニーランドのアトラクションのような楽しさがあります。
善悪がはっきりしていて、
しかも、それを劇画チックにわかりやすく演出しているので
初心者に見せて楽しんでもらうのに
うってつけの作品だと思います。
なんといっても曲がいいですから。

 

ヒロインのメルセデス役は
チョ・ジョンウンが素晴らしかったです。
切々たる心情が歌で伝わって来て、
これまでもチョ・ジョンウンは大好きな女優さんでしたが、
今回特に胸にしみました。

 

(2016年12月21日執筆)