『ロミオ&ジュリエット』製作発表記者会見 – 田代親世の韓国エンタメナビゲート

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『ロミオ&ジュリエット』製作発表記者会見

昨日、上記記者会見がありまして行ってきました。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、
シェイクスピアの有名な戯曲『ロミオとジュリエット』を
フランスでミュージカル化したもので、
2001年フランスで初演され、
日本でもこれまで宝塚や日本オリジナルバージョンの舞台が
幾度となく上演されてきました。

 

で、今回の来年1月から3月にかけて
東京と大阪で公演されるのは
実に4年ぶりの上演になるとのこと。
2013年に城田優のロミオで見たなあと思いながら、
あれから4年が経とうとしていることに驚きです。
今回は演出をはじめ、美術、衣装、振り付けが一新され、
キャストも一部を除いてほぼ新しくなるということで、
新生ロミジュリの誕生です。

 

会見ではまず、キャストたちによる
「世界の王」「エメ」など5曲の楽曲披露がありました。

この作品つくづく曲がいいですよね。
まだ皆さん本格稽古の前でしょうが、
時にエネルギッシュに、時に切なく歌い上げてくれて、
ドラマチックなロマンの世界が十二分に感じられ、
何よりも情感がすごく伝わって来て正直とっても良かったです。
来年の本番がすごく楽しみになりました。

キャストは、
古川雄大と大野拓朗のWキャストのロミオ
生田絵梨花(乃木坂46)と木下晴香のWジュリエット他です。

日本の今の若手俳優って、舞台でも映像でも
成熟した男子というよりも
少年性が感じられる人が多いように思うのですが、
役によっては線が細いかなとは思うものの、
こうしたロミオのような役にはぴったりですよね。
古川さんは最近ですと『エリザベート』のルドルフ役でも
すらりとした長身の貴公子ぶりがとっても素敵でした。

会見では、演出の小池修一郎先生のぶっちゃけ発言が
随所に出てすごく面白かったです。
「キャストについて小池先生から一言づつお願いします~」
と言われたのに、
一言で終わるはずもなく…

ロミオ役の古川雄大さんにとっては
前回の2013年に続いて2度目となるロミオなのですが、
「今日聞いて、ちゃんと歌ってるな~と思いました(爆)
前は稽古中に歌えなくなってね」
「のど鍛えたの?」
「はい、のどを鍛えました」
とかいろいろと話をしているうちに
「ずいぶんちゃんと喋れるようになったね~。今日は座長感満載で!」
「聞き違えたかなと思うくらい歌が進歩していて楽しみにしてますよ」
と古川さんも思わず苦笑してしまうほどの
爆笑やり取りが繰り広げられました。

そしてもう一人のロミオ役、大野拓朗さんが
「小池先生演出の『ロミオ&ジュリエット』が世界で一番好きな公演で、
4年間ずっとこの舞台に立つことを夢見てレッスンして精進してきました。
この場に立てていることを大変大変うれしく思っています。
歴史に残るような素敵な舞台になれたらなあと思っています。
観客の皆さんが人生において最高級のいい思い出になるような
いい舞台にしますので是非ご期待ください」と語ると、

小池先生は、
「『エリザベート』でルドルフ役で出てもらって、
とても頑張ってたと思ったけど、
最初からミュージカルをやろうという人との差はあった。
その後TVのバラエティー出てるの見て「やっぱあっちに行ったか」と思って、
もう一緒にやることはないかなと思っていたらオーディションに名前が上がり、
送られてきたオーディション音源を聞いたら
「え、吹き替えじゃないの?」と思うくらいちゃんと歌えてて」
とこれまたぶっちゃけた感想を(爆)。

なんでもこのオーディション用の音源を録音するときに伴奏してくれた人が
昔大野さんが『エリザベート』出演時に歌稽古のピアノ伴奏を夜遅くまで
付き合ってやってくれていた方だったそうで、
その方が大野さんの歌い終わりで
も~のすごく拍手して泣いてくれて
「成長したね」とすごく褒めてくれたのだそうです。

小池先生は、「彼が歌の勉強してるとは聞いていたけど、
どうせ事務所が話を盛って言ってるんじゃないかと思っていたが、
本当に勉強してたんだなと、ミュージカルに対する情熱が感じられたので、
その気持ちが実を結ぶか、見届けたいと思っています」
と語っていました。

「3年前に舞台を見て感動と衝撃を受け、
いつかジュリエットやりたいと思い続けてきたので
今ここに立てて嬉しいし不思議な感じがしています。
たくさん努力をして精いっぱい頑張っていきます」と語る生田絵梨花さんに対しては、
「場慣れしてるかなと思ったら
すごく緊張してるの見てびっくりしました。
それがジュリエットの初々しさや、
いい意味でのかたくなさにつながるかなと思ってます」
と小池先生が言うように、
すごく透明感のある清潔感溢れる歌声で、
これから花開かんとする一歩手前のつぼみのような
清純なジュリエットがまさにここにいるという雰囲気を
体現していました。
彼女は大学の本科でピアノを、声楽は副科で学んでいるそうですが
素敵な歌声でした。

そしてもう一人のジュリエット木下晴香さんは、
この日も佐賀から上京してきた現役の高校三年生です。
小池先生が彼女がTVのカラオケ番組に出たのを見て、
「ほ~お」と思って目を付けたのだそうです。
ジュリエットの歌の音域をカバーして歌える人が
なかなかいないなか、
地方在住の現役の女子高生だから
出演は難しいんじゃないかと思いながらも当たってもらったら、
他からもスカウトがあって卒業後は芸能の道に進むことになっていたようで、
じゃあ前倒ししてやってもらおうということになったそうです。
でも言ってみれば素人さんなわけで、
これは『エリザベート』において
現役芸大生の井上芳雄がルドルフ役で帝劇デビューしたのに匹敵する、
というか、それをも超えるシンデレラストーリーですね。
なにせ主役ですからジュリエットは。
しかし、共演者からも「肝が据わってる」と言われていましたが、
非常に落ち着いて見えました。

小池先生が、
「舞台の上では愛するロミオと結ばれたりするシーンを
お客さんの前で演じなきゃいけませんが、そういうことに関しては?」と
現在10代のジュリエットたちに聞くと、
生田さんは
「私はアイドルなのでファンの方々は心配されると思うんですけど、
見にきてくれた方が、今度は『ロミジュリ』のファンになってくれたら嬉しいなと。
そうするように私が頑張らなきゃなと思います」
それを聞いて小池先生は、
「なるほど、今突然気が付きました。
私はいつも宝塚やってるもんで、
女性のお客様相手の商売だと思ってましたが、
生田さんのファンで今日ここにいらっしゃった男性の方いらっしゃいますか?」
と言って、手が上がった男性ファンに向かって
「あのですね、生田さんが舞台の上でキスしたり…許されますか?
我慢できますか?我慢してくださいね。舞台の上はかりそめのものです。
そこは安心してください。女性のお客様はそう割り切って見てますから」
とフォローになるのかわからない慰めの言葉をかけていて
これにも爆笑。

一方の木下さんは、
「今はまだ優しいお兄さんという感じなので
愛するロミオに見られるようになっていけるか少し不安があるんですけど~」
と思わず言ってしまったところで、
二人のロミオたちは申し訳なさそうに
「頑張ります」と起立してお辞儀。
「あ、いえ、そうじゃなくて~」と慌ててフォローしようとしても
うまい言葉がみつからない木下さんに、
「大丈夫、お兄さんたちは慣れているから~」
と、小池先生は自分が投げかけた波紋を
すべて自分で収集していました(笑)。
いやあ実に面白い小池劇場でした(爆)。

でも面白いだけじゃなくて、
小池先生がロミオ役の二人にとって
この舞台はリベンジにあたると言ってましたが、
この会見を見て、
「どうしてもやりたかったから必死にレッスンして勝ち取った~」
という大野さんの情熱や
「のどを鍛えました!」という古川さんのコメントに、
かつての自分のふがいなかった体験から
二度と同じ過ちは繰り返すまいという
強い向上心を持って成長してきたんだなということが
伝わってきて、
それがこの日の歌のパフォーマンスで爆発していたように
思いました。
努力を怠らずに見るものがびっくりするくらいの
頑張りを見せてくれる姿は清々しいですよね。
だから二人のロミオが口々に
「ぜひご期待ください!」と
力強く言ってのけた姿がまぶしかったです。

で、小池先生本業の演出の話ですが、
日本オリジナル版を2011年にやった時、
宝塚版がロマンチックな作りなので
もう少しリアリティーのあるものを作ろうと思い、
破壊された世界での出来事を想定していたそうですが、
大震災が起こって、
そういう時に破壊された世界を見るのは心情的につらいので
やめた経緯があったのだそうです。
今回またやるにあたって、
そもそもやってみたかった
‘失われた世界の中での両家の争い’を
描いてみたいと抱負を述べていました。
どんな新生『ロミオ&ジュリエット』になるのか
楽しみでなりません。

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
出演 古川雄大/大野拓朗(Wキャスト)、
生田絵梨花(乃木坂46)/木下晴香(Wキャスト)ほか、

東京公演2017年1月15日~2月14日 赤坂ACTシアター
大阪公演2017年2月22日~3月5日梅田芸術劇場メインホール

 

(2016年09月06日執筆)