『パルレ』ホン・グァンホ – 田代親世の韓国エンタメナビゲート

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『パルレ』ホン・グァンホ

 

3月にソウルに行ったとき、
『マタハリ』のほかにもいくつか見た中で、
今回一番よかったのが『パルレ』でした。

『パルレ』は、初演から11年になる
韓国の創作ミュージカルです。
「パルレ」とは日本語で「洗濯」のことで、
ソウルの下町を舞台に、
地方出身で書店で働くヒロインが
新たに引っ越してきて始まる物語です。
ヒロインを中心に、
その長屋みたいな界隈に住むご近所さんたちの
様々な事情が絡まって、
理不尽な出来事の数々にやるせない気持ちにさせられますが、
最後には感動と共に励まされるのです。

もともと大人気の感動的な作品ですが、
今年の『パルレ』は、
韓国版『デスノート』でジュンスと共演して
その歌のうまさが広く日本のファンにも
知られるところとなったホン・グァンホが
久しぶりに出演することで、
さらに大きな話題になっているのです。

ホン・グァンホは、
『ミスサイゴン』のベトナム人トゥイ役で、
ロンドン・ウェストエンドの舞台に立ち、
イギリスのミュージカルアワードで
最優秀助演男優賞まで受賞したミュージカルスタ―です。

で、その彼が『デスノート』の次に何に出るのか?
と注目されていたのですが、
なんと、大劇場作品ではなく、
以前演じて愛着が深かったという
『パルレ』への出演を決めたので
みんなびっくりしたわけです。
なにせ『パルレ』が上演されるのは
250席に満たない小劇場ですから、
ホン・グァンホの出る日はチケットは即ソールドアウトです。
が、そんな中、幸運にも見ることができました。

ホン・グァンホが演じているのは、
ヒロインのご近所さんの一人、モンゴルからやってきたソロンゴ青年ですが、
ホン・グァンホの歌声がもう美しくて、
ちょっとさえない青年のイメージなのに
最初はあまりにもきれいな声でうますぎて
声がハンサムすぎる~
とイメージにギャップを感じたのと(笑)、
声に広がりがありすぎて劇場の箱に収まり切れない~
という感じでしたが、
だんだん観る方も慣れてきて、
役にも小屋にもなじんで観ることができました。
で、そうなってくると、
もう彼が歌いだすのを心待ちにしてしまう感じで、
あんなに小さな劇場でホン・グァンホの歌声を堪能できて耳福でした。

ホン・グァンホだけでなく、
作品自体のメッセージに
すごく感動して心にしみました。

『パルレ』は日本でも日本人キャストによって
何度も演じられていて、私も一度見たことがありました。
なので、いい作品だなあという
メッセージには感動を受けていたのですが、
正直、その時は歌専門の方ではなかったので
歌がちょっと微妙でして(^-^;、
メロディーがこんなに良いということに
気が付けてなかったんですよね。

今回は、抒情的な珠玉のメロディーが染み入るように
聞こえてきて、しかも、歌詞の内容に感動を受けました。
そうそう、金・土はステージ両脇にモニターが出て
日本語字幕が付きます。
歌詞がいいので、字幕が付く日を狙うといいです。

3月31日のジュンスのバラードコンサートを見に行ったとき、
アンコール曲が、この『パルレ』を代表する名曲の
「きれいだよ」でした。
ジュンスは名古屋のコンサートが終わったあと、
韓国に戻って初めて『パルレ』を見に行ったそうですが、
「きれいだよ」はロマンチックな告白の歌という認識でいたけれど、
実際に舞台で見たら、こんな切ない事情の中で歌われる歌だったのかと
わかってびっくりした~というようなことを言ってました。
ジュンスのおかげでまた多くの人が、
この曲、および『パルレ』に興味がわいたでしょうね。

ホン・グァンホが出るのは4月24日が最後ですが、
彼じゃなくても内容としてお勧めの作品です。

ロングランでいつもやっているので、
今度見よう~といつも後回しになってしまっていましたが、
今回見られて本当に良かったです。
今シーズンの『パルレ』は
来年の2月26日まで上演されていますので
ソウルに行かれた際にはぜひお勧めです。

 

(2016年04月16日執筆)