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『エリザベート』パク・ヒョシンのトートに落ちる!

 

『エリザベート』の韓国版!

昨年、ブルースクエア劇場でも観ましたが、
今年は芸術の殿堂オペラハウスに劇場を移し、
より豪華絢爛に完成度も高くなっていて
もう見ている最中から興奮するほど大満足でした。

で、一番萌えたのが、
パク・ヒョシン演じる死の神トートです!
エリザベートを演じたオク・チュヒョンも素晴らしいし、
イ・ジフンも一段とうまくなったなあとびっくりしたのですが、
それを上回る驚きを与えてくれたのが
パク・ヒョシンです。

 

今まで宝塚版、東宝版、ウィーン版、韓国版といろいろ
なバージョンの『エリザベート』を観ましたが、
個人的な好みとして一番好きなトートでした。

何がいいかってその雰囲気の ‘幽玄’ さ。
クールで神秘的で、少女漫画から出てきたよう。
そそそーとしのび寄ってくる感じのゾワゾワ感があって、
エリザベートへの近づき方とか引き寄せ方がいいのです。

それでいて歌声は豊かで力強くもあり、
ところどころで吐息を漏らしながら、
あくまでも抑え気味に品のある色気で迫ってくるのです。
正直、立ち姿というか、背中から首にかけてのラインが、
衣装のせいなのか、
首が埋まって見えてしまうのが少々気になりましたが、
そんなものを凌駕する魅力がありました。

翌日にはチョン・ドンソクのトートも観ましたが、
歌はものすごく迫力があって上手いのですが、
歌声が朗々とし過ぎていて、
動きもエリザベートの引き回し方も
パワフルすぎて、
私のトートのイメージとは違いました。

それに、この役、あまり歌いあげるタイプの人には
似合いにくい役なのかもしれないなあと思ったりして。

その点、ジュンスやパク・ヒョシンといった
K-POPから入った歌手のほうが役のイメージとして
合っている気がしました。

まあこれもあくまでも私の個人的な好みなので、
その朗々とした歌声に聞き惚れる人も多いと思います。
実際大拍手を浴びていましたからね。

ジュンスは昨年のしか見ていませんが、
(今年はますますチケット入手が困難なので…)
その時は、獰猛さを感じさせる
カリスマのある前のめりなトートでした。
それはそれですごく魅力的なのですが、
乙女趣味な私としては、
やっぱりクールで中性的なのが好みなんだなと
パク・ヒョシンバージョンを見て再認識しました。

で、パク・ヒョシンさん、
歌が上手いのは知っていましたが、
「雪の華」の時は、
うますぎて声に厚みがありすぎて
重いかもって思っていたんです。

その印象があったのですが、
今回、そんな重さは全く感じさせず、
豊かな声域で劇場を圧倒し、
いやあ、素晴らしかったです!


韓流時代劇ドラマのツアーでご一緒したお客様にお声がけしたところ、
お2人が当日券でご覧になったのですが、
お2人も大興奮!

面白かったのは、
ルキーニを演じたイ・ジフンの熱演に触れて、
「ミュージカルでこんなに素晴らしいんだから、
へたにドラマで見守りキャラなんかで出なくたっていいのに…」
という感想をこぼしていたことでした。

確かに! とうなずけるほど、イ・ジフンもうまかったです。
どんなにシャウトしても耳に馴じむ声で聴きやすいんです。
いつもそつなくこなしているという印象があるのですが、
今回はその殻を破ったような熱演だったと思います。

それにしても脇の一人ひとりに至るまで、
隙のない完璧な上手さで、豪華絢爛な舞台で、
「最高水準のものを見させていただきました!」
という大満足感でいっぱいになりました。

翌日に観たマチネー公演には、
中学生なのか、高校生らしき団体も学校単位で見に来ていました。
思春期にこんなすごいもの見ちゃったら
ミュージカル俳優を目指したくなっちゃいますね。
こんな大舞台で、自分の歌声と演技で
観客を興奮のるつぼに落とせるなんて、
なんと快感なんでしょうか。
やってみたいものです。

 

(2013年08月26日執筆)