ドラマ解説
強力おすすめ
タイトル | サンドゥ、学校へ行こう! |
---|---|
韓国放送年 | 2003年 全16話 |
演出 | イ・ヒョンミン |
脚本 | イ・ギョンヒ |
出演 | チョン・ジフン コン・ヒョジン イ・ドンゴン ホン・スヒョン |
【 ドラマ紹介 】
<ドラマ概要>
タイトルだけ見ると明るい青春ストーリーかと思いきや、
やるせない人生を、懸命に歯を食いしばって生きる一人の青年
サンドゥの生き方が胸を打つ物語。
終始切ないトーンが支配する珠玉の名作です。
サンドゥは金持ちの女性を言葉巧みに惑わせて金品を巻き上げ、
27歳にしてジゴロ同然の生活をしている男。
でも彼には難病の娘ポリがいて、
ポリを育てるためにジゴロにならざるを得ない事情がありました。
そんなサンドゥの前に、ある日、
忘れられなかった初恋の女性ウンファン(コン・ヒョジン)が現れます。
彼女には医者の婚約者(イ・ドンゴン)がいるものの、
サンドゥはウンファンに近づきたくて、
彼女が教鞭をとる学校に守衛として職を得るのでした。
<見どころ&感想>
15年思い続けた初恋の相手と再会し、
「ポリ、この世で愛しているのはお前だけだと言ったけど、
それは嘘だ。昔、パパにもすごく大切な人がいたことを、
忙しさの中で忘れてた」というサンドゥのナレーションから、
もう切ない物語の世界に引き込まれます。
そして、なぜサンドゥが刑務所に行かなければならなかったのか。
初恋の人ウンファンとどう出会い別れたのかが
要所要所で回想されていくのです。
生きるのに精一杯で心に鍵をかけていた彼女への思いは、
自分でも抑えきれないほど強く、
感情に突き動かされるかのようにウンファンに近づいていくサンドゥ。
ジゴロをしなくては生活していけない自分の状況にいらだち、
常に心に葛藤を抱えて生きていて、
一見ヘラヘラしていているけれど、
どんな苦境に立たされても文句ひとついわず、
娘のポリの前では大げさなぐらい明るく振舞って、
絶対に悲しい顔を見せない。
そんな姿にキューンと胸が苦しくなり、
何とかこの青年に幸せをと願うような気持ちになります。
そんないつでもどこでも、弱みを見せまいと、
顔で笑って心で泣いてというように振る舞うサンドゥが、
ふと気が緩み、真剣な真情を吐露してしまうところがツボでした。
またサンドゥのライバルとなる
ウンファンの婚約者のミンソクの存在がいいのだ。
ミンソクはポリの主治医。
だから、恋敵と思いつつも、
サンドゥの人生のやるせなさを知っているだけに、
気にかけてつい話しかけてしまったりもする。
韓国ドラマの定番ならミンソクは悪役になるところだけど、
このドラマではそうはならない。
登場人物の誰も憎めないからこそさらに切なさが募り、
誰も悪人ではないからこそ品格のある高尚なドラマになったのだと思う。
ラスト、サンドゥとウンファンの手紙のナレーションが
このドラマのメッセージになっており、
染み入るような感動の余韻が残る。