キング～Two Hearts – 田代親世の韓国エンタメナビゲート

ドラマ解説

タイトル	キング～Two Hearts
韓国放送年	2012年　全20話
演出	イ・ジェギュ　チョン・デユン　ソン・ジウォン
脚本	ホン・ジナ
出演	イ・スンギ　ハ・ジウォン　チョ・ジョンソク　イ・ユンジ　イ・ソンミン　ユン・ジェムン　イ・スンジェ

【ドラマ紹介】

『キング～Two Hearts』は、『ベートーベン・ウィルス』を生み出したイ・ジェギュ監督とホン・ジナ脚本家が再びタッグを組んだ作品です。

人気ドラマ『宮～Love in Palace』と同じように韓国に王室があるという架空の設定で物語は進んでいきます。イ・スンギは王の弟役。根性なしで意地もプライドもなさそうな口の悪い王子で、最初は『華麗なる遺産』で演じたダメダメ御曹司っぽい雰囲気です。ハ・ジウォンは北朝鮮の特殊部隊の女性教官で、武術に長けているけど心はロマンチックな恋愛を夢見ている乙女という心根のかわいいヒロインを演じています。そんな彼らが、世界の軍の将校たちが集まってその技量を競うという世界将校大会に参加するための南北の合同訓練で出会い、ケンカを繰り返しながらも、惹かれていき、なんと結婚話が浮上してしまう…という展開になっていきます。

王子のもとに思いもかけなかったヒロインが婚約者として行くことになる…というテイストが『宮～Love in Palace』を彷彿させますが、この『キング～Two Hearts』は、二人のラブコメの要素を入れ込みながらも、本筋は、緊張感漂う南北関係と、平和を嫌う組織との深刻な対立が色濃く描かれていくので、言ってみれば『宮』のハードボイルドバージョンという感じです。

これは骨太なテーマの作品で、国家体制が異なる国の男女が信頼関係を築いていく過程や、ナンパだった王子が王としての自覚が生まれ立派になっていく成長物語として楽しめ、最後まで見ていくと、平和に対する大きなメッセージが感じられて感動します。

イ・スンギの、様々な思惑を内に秘めて何でもないように笑みを見せながら相手をやり込めていくところや、物事に真摯に向き合おうとするところなど熱演が光ります。

またもう一つのラブラインである、王の妹のジェシン王女（イ・ユンジ）と堅物な王室護衛兵（チョ・ジョンソク）との不器用な恋模様もと～ってもいいので、こちらにもかなり心を持っていかれますのでご期待ください。

王室が舞台なだけに、ロイヤルファッションが素敵です。イ・スンギが、王族の正装姿に軍服姿、ラフな時のなにげないけど品格漂うファッションに、仕事をする時のスーツ姿など、もうコスプレ状態で、王として目覚めていくにしたがってどんどんかっこよくなっていきます。ハ・ジウォンも軍服から、中盤から王室に入るので、甘くかわいい衣装に変わっていきますし、王族を守る護衛部隊の白を基調にした制服も素敵で、衣装を見る楽しさが味わえるドラマです。