インスンはきれいだ – 田代親世の韓国エンタメナビゲート

ドラマ解説

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タイトル インスンはきれいだ
韓国放送年 2007年 全16話
演出 ピョ・ミンス
脚本 ジョン・ユギョン
出演 キム・ヒョンジュ キム・ミンジュン イワン イ・イネ

【 ドラマ紹介 】

『インスンはきれいだ』は、高校時代の過失で人を殺めてしまった女性が刑務所から出てきたところから始まる、静かな感動を呼ぶドラマです。

前科のせいで世間の目が厳しく、「インスンはきれいだ」「インスンはきれいだ」と呪文を唱えるように自分に言い聞かせて必死に前を向いていこうとするインスン(キム・ヒョンジュ)。それでも誰からも愛されない自分に生きる意味を失いかけて駅のホームから足を踏み出そうとしたそのとき、引き戻してくれたのは、インスンが初恋だったという中学時代の幼なじみ、サンウ(キム・ミンジュン)でした。それがきっかけのようにして、インスンは自分を捨てた舞台女優の母親とも再会し、またひょんなことから有名になってしまい、あれよあれよという間にスターに仕立てられ、必要以上に世間の目にさらされていくことになっていきます。

常に罪の意識を感じ、世間の目におびえながら、逃げ出したくなりながらも、少しづつ強くなっていくインスン。そんな彼女の過去に最初は戸惑いながらも、彼女を温かく包み込もうとする幼なじみのサンウの優しい愛が見るものの心に響きます。

キム・ヒョンジュが、おどおどしながらも、かわいく、世間慣れしていなくて健気に生きる女性を熱演し、思わず抱きしめてあげたくなる女性像となっています。そして、ちょっと空回りしながら、インスンに一直線な愛情をぶつけていくサンウ役のキム・ミンジュンがまたすてきです。監督いわく「彼の素のよさを最大限に生かすキャラクター」ということです。またヒロインの弟同然の存在として登場するイワンが、射るような瞳で、反抗的で男らしい魅力をふりまいています。

殺人の前科を持つ女性がヒロインという重くなりがちなところを、感性的に穏やかに描き、寂しさを抱えた人物たちの複雑な心もようを、優しく丁寧につむいでいきます。明るいトーンで、時としてユーモラスな部分もあって、シリアスなだけではないドラマに仕上がってます。善悪を決めつけるのではなく、悲劇的な設定をさらりと描く。切ない感情もことさらに誇張しないで、一人の人間の心の軌跡、成長、周りの人々の姿を温かく見守っていきます。

つらい過去があっても、肯定的に生きれば人生は美しい、人は美しいのだ、というメッセージが、静かに伝わり、まるで凍えた体に温かいミルクを差し出されたかのように、じんわりと感動が広がっていくドラマです。

 

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