ドラマ解説
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タイトル | 黄金の帝国 |
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韓国放送年 | 2013年 全24話 |
演出 | チョ・ナムグク |
脚本 | パク・ギョンス |
出演 | コ・ス イ・ヨウォン ソン・ヒョンジュ チャン・シニョン イ・ヒョンジン |
【 ドラマ紹介 】
『黄金の帝国』は、コ・ス主演、巨大財閥の後継の座を巡って繰り広げられる、手に汗握る熾烈な人間ドラマです。
黄金の帝国の会長は、サインひとつで数兆ウォンの事業を決め、言葉ひとつで数千億のカネを動かす。食事中の会話でデパートの社長が変わり、たとえ子供が事業で数百億の金を失っても父親からは小言しか言われない。黄金の帝国とはそんな世界。
でもそこに君臨していた会長(パク・クニョン)も病には勝てず、あとを任せたのは、長男でも長女でもなく、まだ年若い次女(イ・ヨウォン)でした。そこから、冷遇されてきたいとこ(ソン・ヒョンジュ)を含めた骨肉の争いが始まります。そこに、かつてこの財閥のせいで父親を亡くした男(コ・ス)も加わって、株式、金融取引、不動産といったグループの派遣をめぐる長い戦いの火蓋が切って落とされます。
面白いのは、裏切り裏切られ、昨日の敵は今日の友、と思ったらまた敵になり、という、登場人物たちが、利害によってどんどん相手を組み替えていくところです。今度はそっちと組むのね、と驚かされたり、思わぬ伏兵も出てきたりして緊張感を掻き立てます。この巨大な黄金の帝国を前にして繰り広げられる、うごめく人間模様の非情な戦いっぷりが見どころで、敵同士だった男たちが手を組むところなどはゾクゾクします。
とにかく、駆け引き、説得、脅しに交渉という具合に、セリフの応酬がすごいのですが、またこれにうまく比喩や喩え話が入ってくるので文学的で面白い。この緊迫感あふれるやりとりを演じる俳優たちの演技バトルも見どころです。
コ・スが純粋な青年から欲望にかられていく男までを線の太い演技で演じきり、好青年イメージを拭い去っています。イ・ヨウォンが文学を愛する父親思いの女性から、家族をも敵に回して戦う非情な鉄の女になり、また庶民の代表でいい人イメージのあったソン・ヒョンジュが、冷徹なビジネスマンに扮して新鮮な演技を見せています。
このドラマならでわなのは、善悪がはっきり分かれている単純な構図ではなく、見ようによっては、どちらもわかるし、またどちらも共感できなかったりして、立場によって変わっていってしまう人間の業(ゴウ)がうまく描かれているところです。なので視聴者としては、逆に俯瞰的に戦いの行方を興味津々に見ていけるでしょう。
スキを見せたら攻撃される、一瞬たりとも気が抜けない。なんてしんどいことをしているんだと、見ている方もどっと疲れます。見終わると、財閥でなくて、普通の生活でいいやと心から思えます。
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