取材レポ・コラム
ミン・ウヒョク in 夢友 3rd Anniversary Concert
昼夜で行われたミン・ウヒョクの単独コンサート。
昼はミン・ウヒョクが出演した番組 「不朽の名曲」や、
ドラマOST、出演したミュージカルナンバーなどから
ミン・ウヒョクの魅力をたっぷり見せるコンサートで、
夜の部は ‘夢友3周年コンサート’ として、
夢友でもっとも反応が良かったミュージカルナンバーを
ミン・ウヒョクが歌うという企画で行われました。
ここでは夜の部をレポートします。
『ノートルダム・ド・パリ』から「カテドラルの時代」を歌いスタート。
「1年半前の夢友の「手紙」コンサートの時は
何を見せたらいいかと悩んだけど、
そこから今日までの間に作品の数も増え、
テレビ番組にも出て歌を選ぶ楽しさが出てきたと。
やっと自分の曲ができた感じです」
と言ってました。
ちょっと鼻にかかった声が色っぽくて乙女心をくすぐります!
ソンフンをさわやかにしたような美男子で、
黙っているとクールでかっこいいのに、
ご本人はおしゃべり好きみたいで、
ついつい、おしゃべりな ’かわい子男子’ になってしまうところを
「あ、いけない、いけない」と言って
シックでクールな男子のふりをしてみせるところも笑えます^^。
『ノートルダム~』からは「月」も歌い。
「ステキな作品だからいつかはやりたい。
素晴らしい俳優たちが作り上げた舞台を
僕ごときが~と思いますが、やってみたいです!」
と言ってました。
今回のコンサートは、
夢友が日本で韓国ミュージカル俳優のコンサートを開催するようになって
3周年記念のコンサートでもあります。
その意味もあってアンケートが発表されていました。
Q1:まだ出ていない人で夢友に出てもらいたい俳優は?
1:チェ・ウヒョク パク・ウンテ
2:チェ・ジェリム
3:KAI パク・カンヒョン
この中で誰と一緒にやってみたいかを聞かれて
「みんなとやってみたいけど、あえて選ぶならKAIさん」
というのも、
『ベンハー』の時に練習パートナーがKAIだったそうで、
「息がぴったりだったんです」とのこと。
「KAIさんはソフトで笑うと目が無くなってしまうけど、
僕はかっこいい紳士という感じでタイプが全然違うので
いいと思いますよ」とジョークを飛ばしてました。
Q2:夢友公演の中でもう一度聞きたい曲は?
1:『フランケンシュタイン』の「偉大なる生命創造の歴史が始まる」
2:『死の賛美』の「あの海に書く」
3:『トレースU』の「私を壊してみて」
この流れで、もちろん1位の曲を歌わなくちゃということで
難曲を披露してくれました。
歌い終わったら脈を図って心拍数が上がったよ
というジェスチャーをしてみせたりしてお茶目です。
そして
Q3:夢友の中で一番記憶に残る公演は?
で選ばれたのがキム・ホヨンさん。
ホヨンさんは、自身の巧みなMCっぷりもあって、
彼のコンサートは一緒に組む相手俳優をも
引き立てて、ぶっちゃけ話も飛び出す楽しい公演なので
なるほどという結果です。
VTRでコメントを寄せてくれました。
Q4:夢友で一番多く歌われた曲は?
1:「きれいだよ」(『パルレ』より)
2:「蝶」(『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』より)
3:「君の夢の中で」(『フランケンシュタイン』より)
ということで、ここでも1位の「きれいだよ」を。
この歌は歌い手の声の良さがすごく伝わる曲ですね。
ウヒョクさんも優しく柔らかく歌ってくれてステキでした。
たくさん歌われてきただけのことはあります。
そして「蝶」も。
これはセットリストの選曲過程で初めて聞いて、
歌詞を見て身震いしたそうです。
「自分なんて~と自尊心が低い方がいるけれど、
そんな自分でも、誰かにとってはとても素敵な力を与えることができる
というそんな歌詞を見て感動し、
上手くなくてもみんなに聞いてもらいたかった」と。
そして、ここで、
夢友での禁止曲である『ジキル&ハイド』の「チグミスンガン」を。
この曲は夢友に限らず韓国でのオーディションの時に
あまりにもみんなが歌うから禁止曲になっているというのは
わりと有名な話ですが、それをあえて持ってきました(笑)。
夢友でも2年ぶりくらいに歌われたそうです。
ここでボソッとウヒョクさんが、
「実は僕、声が出ているのが不思議です。
『アンナ・カレーニナ』の練習中でほとんど眠れない日々で、
日本に来るのを心配したんですけど、
皆さんからずっとパワーをもらって奇跡を体感しています」と。
どうも体調があまりよくなかったようですね。
そうは感じさせない歌声でしたけど…。
「また最大限早い時期にまた来ます。
だから今この瞬間、皆さんのそばに僕がいたことを
忘れないで~という意味で歌います」と言って
「僕が君のそばで少し生きていたことを」を歌いました。
ラストは自身のデビュー曲である、
ドラマ『『窈窕淑女』』(『やまとなでしこ』の韓国リメイク)の
OST曲、中西保志の「最後の雨」を初めて日本語で歌ってくれました。
「去年「手紙」で来た時に約束した通り一生懸命やって来たし、
運も良くこうしてまた皆さんに会えました。
まだ未熟ですが、今度はもっと良い話をもってきます。
悲壮で静かで~という曲が多いので、
MCコメントの時は親近感を持ってほしくて茶目っ気を出しましたが、
次は、本当の紳士とは何かをお見せできると思います(笑)」
と笑いを取りながら締めくくりましたが、
鳴りやまない拍手の中アンコールで登場してこの曲を!
10月に終わった『ベンハー』でのメッセラの最大の見せ場の曲
「俺はメッセラ」です。
「わざわざ自分の名前を叫ぶという曲で(爆)
『フランケンシュタイン』の「偉大なる生命創造の歴史が始まる」と
同じくらいに大変な曲です。
アクションしながら歌わなきゃいけないし、
直前のリハーサルまで最後まで歌いきれなかったんです。
初公演で100%とは言えないけれど歌い切れました。
それは観客の皆さんのおかげです。そんな奇跡がありました。
今日も夜の部の最後まで歌えたのも皆さんのおかげです」
と言って
「俺はメッセラ」を力強く歌い上げてくれました。
やはりこの歌を歌うと眉間に険しいたてじわが寄りますね。
無事に終えられてホッとしたのか、
ちょっと涙で目が潤んでいるようで
最後は日本語で「あいしてる」と言ってコンサートの幕は下りました。
コンサートの中で、
「僕は幸いにも運よく素晴らしいステージに立たせてもらっていますが、
そうでない人の方が多いです。
僕よりすごい才能を盛った俳優がいるのに生活が苦しくなって
そちらの方に気を取られちゃう。
僕も以前はそんな中にいて、
そこから今皆さんの愛をもらう立場になりました。
だから苦しんでる俳優さんたちがよく相談に来るんですよ」
と話す場面があり、身につまされる話だなあと思いました。
ミュージカル界、スターとそうじゃない俳優との差は激しいですからね。
こんな風に、今回彼の口からは
「運良く」とか「奇跡」という言葉がたくさん聞かれました。
本当に1年半前の「手紙」コンサートで来日した時には、
まだ『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役くらいしか
日本の観客には知られていなかったですが、
そこから急激に大劇場の大きな役への抜擢が続き、
すっかり大劇場俳優として定着した感がありますね。
そんな自分の状況をよく捉えているからこそ
この言葉が出て来るんだろうなと思いました。
(2017年12月28日執筆)
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