映画解説

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タイトル アナーキスト
韓国公開年 2000年
出演者 チャン・ドンゴン チョン・ジュノ キム・サンジュン キム・イングォン イェ・ジウォン イ・ボムス
監督 ユ・ヨンシク

【 映画紹介 】

『アナーキスト』は、1920年代、日本の統治下の中国、上海を舞台に、抗日闘争運動に身を捧げた5人の男たちを描いたアクション・ノワールです。

1919年に中国で組織された、朝鮮独立を目指す抗日闘争団体「義烈団」。そこで活動した無政府主義者、アナーキストの青年たちが主人公で、壮年となったサングが1919年の少年時代を振り返る形で描かれています。1919年という年は、3.1運動という日本の植民地政策に対する不満が爆発した市民運動を期に上海に大韓民国臨時政府が樹立されて、民族解放闘争は韓国の内外で行われていました。

日本軍によって両親を殺された少年サングは抗日組織のメンバーらに出会い、行動を共にするようになります。彼らは日本に対抗するためには暗殺や爆破などのテロも辞さない攻撃的な集団で、サングも次第にその一員として染まっていきます。しかし、自由で平等な世の中を夢見た彼らに待っていたのは、悲惨な最期でした。

5人のアナーキストには、チャン・ドンゴンに、この作品が映画デビューとなったチョン・ジュノ、『ひとまず走れ』などのイ・ボムス、冷静なリーダー格にはキム・サンジュン、そして語り手にもなっているサング少年に、『恋する神父』『マルチュク青春通り』などのキム・イングォンが扮しています。そしてダンサーのカネコ役を『ジュリエットの男』などのイェ・ジウォンが演じています。

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いかがでしたか? 壮年サングが生きている映画の中の‘今’を現すシーンは、新政府が樹立して1周年という事なので、1949年のことになります。この年の6月に、映画にも出てきたキム・グという、有名な独立運動家が暗殺されており、サングはそのことも許せないと感じて初代大統領のイ・スンマンを暗殺に向かうというところで終わっています。韓国・中国合作らしく、最後の歌は、日本でも人気の中国人歌手レオン・ライが歌っています。