映画解説

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タイトル アカシア
韓国公開年 2003年
出演者 シム・ヘジン キム・ジングン ムン・ウビン
監督 パク・キヒョン

【 映画紹介 】

『アカシア』は、ある一家を襲った心理ホラーです。
結婚10年が過ぎても子供に恵まれない夫婦が、6歳の養子をもらうことになります。最初はなじまなかった子がようやく打ち解け始めたころ、妻が奇跡的に妊娠し、赤ちゃんが生まれます。

自分の存在が邪魔なのではないかと敏感に空気を感じ取った子供は、ある雷雨の日、家を飛び出し、そのまま帰らなくなってしまうのですが、その日から庭のアカシアの木が不思議なことに勢いづいてくるのでした。妻が、夫が、そして優しい舅が何かを抱えているかのようにおびえ、幸せなはずだった家庭がみるみる崩壊していきます。

『女校怪談~囁く廊下』で韓国にホラー映画市場を開いたパク・キヒョン監督が、今度は、不妊に養子に母性の葛藤という問題を、ホラー仕立てで描きました。その画面の静謐さがじわじわと恐怖を掻き立てます。

『宮~Love in palace』でおなじみのシム・ヘジンが5年ぶりに映画に復帰したことで話題になりました。また夫役を、舞台出身で、ドラマ『いるときに尽くしてね』などにも出演したセクシーな危険さのあるキム・ジングンが出演しています。それではどうぞご覧下さい。

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いかがでしたか? 養子のジンソンを愛そうとしているのに、頭ではどうにもならない微妙な感情が引き起こしてしまった悲劇。誰が悪いとは言い切れず、むしろ、良かれと思って養子を取ろうと決め、きちんと愛そうとしていたのに、この悲劇の結末はあまりにも残酷ですね。韓国は特に血のつながりへの執着が強いので、なおさら強いメッセージとなって伝わってきました。
ところで、この映画の鍵を握る少年役のムン・ウビン君は、800人近くの中からオーデションで選ばれました。何を考えているのかからない神秘的な演技が上手でしたが、なんと、演技経験も無く、カメラの前に立つのも初めてだったそうです。韓国は子役が皆すごいですね。