映画解説

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タイトル 相棒 シティ・オブ・バイオレンス
韓国公開年 韓国公開年 2006年
出演者 リュ・スンワン チョン・ドゥホン イ・ボムス アン・ギルガン
監督 リュ・スンワン

【 映画紹介 】

『相棒 シティ・オブ・バイオレンス』は、『クライングフィスト』などのリュ・スンワン監督が、制作・監督・脚本・主演の4役をこなしたド迫力アクション映画です。

幼なじみが殺されたと聞いた刑事が10年ぶりに故郷を訪れてみると、そこには土地開発を巡って地元ヤクザの悪の手が伸びていました。友の死の真相を探るため、昔馴染みの地元の友人と一緒に事件の解明に迫っていくうちに、意外な真相が見えてきて、友の復讐のため、戦いに挑んで行くのでした。

それまでもアクションにこだわって作品を撮り続けてきたリュ・スンワン監督が、「CGやカメラの動きでごまかしたりしない本物のアクション映画を撮りたかった」というだけに、これでもかーというくらいのバリバリのリアルアクションが展開されます。

ものすごく大変なアクションが要求されるだけに、スターに頼るのではなく、自らと、韓国ナンバーワンのアクション監督で俳優でもあるチョン・ドゥホンと2人で演じることにしたという野心作です。

シナリオも自分で書いて自分で演じているので、‘役者にこんなことをさせたら悪いなあ’などと気にする必要もなく、より過激に、より自由に作ることが出来たそうです。

身体を張ったアクションのすごさに留まらず、昔の親友同士が敵対していく人間ドラマの面白さや、スタイリッシュでセンスのいい編集も斬新で、監督曰く、最も自分らしい映画だそうです。

『オンエアー』などのイ・ボムスが、小柄な体にカリスマを漂わせる憎らしさいっぱいの演技で大韓民国映画大賞、春史(チュンサ)大賞映画祭で男優助演賞、大鐘賞(テジョン)で国内人気賞に輝きました。

それでは、リュ・スンワン監督の渾身のアクション・娯楽作品をどうぞご覧下さい。

 

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tashiro

リュ・スンワン監督はアクション好きだけあって、幼い頃から武道は習い続けているそうなのですが、この映画を撮る時、最初は弟の俳優リュ・スンボムから、「アニキ本当にできるのかよ」といわれ、また撮影中に膝の怪我をしたときに、「やらなくてもいいことしてそんな怪我なんかして」と非常に怒られたそうです。でも完成試写会のときに、「俳優としてすごく刺激を受けた。やろうという意思さえあれば、何でもできるんだということをこの映画を通じて知ることができた」と言ってくれたということで、すごく嬉しかったそうです。お互いに高めあう、美しき兄弟愛ですね。

それでも劇中に出てくる540度回転蹴りというアクロバティックな技は難しかったそうです。これはどんなアクション俳優でもしり込みしてしまうほどの技だそうなのですが、それを22回のNGの末に見事成功させたそうです。