映画解説

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タイトル 将軍の息子
韓国公開年 1990年
出演者 パク・サンミン シン・ヒョンジュン キム・スンウ パン・ウニ
監督 イム・グォンテク

【 映画紹介 】

『将軍の息子』は、今やカンヌ映画祭で監督賞を受賞するなど巨匠となったイム・グォンテク監督の痛快娯楽アクション映画です。90年当時、最高興行記録を打ち立てるなど、予想以上の大ヒットとなり、その後も『将軍の息子2,3』と作られて人気シリーズとなりました。

韓国が日本の支配下にあった1930年代から40年代のソウル。その中で日本人ヤクザに対抗し、韓国民衆を守り抜いた時代のヒーロー、実在の人物キム・ドゥハンを描いたヤクザものです。

8歳で孤児になり浮浪者として暮らしていたドゥハンが腕っ節を買われ、ヤクザの世界に足を踏み入れます。折りしもソウルの繁華街鐘路ではヤクザ同士の縄張り争いが繰り返されており、その中でけんかの強いキム・ドゥハンが幾度もの戦いを経て仲間からの信頼を得、頭角を現し、ついにはチョンノを束ねる英雄として認められるようになる過程が小気味よく描かれていきます。

主人公のキム・ドゥハンは韓国独立運動の中心人物だったキム・ジャジン将軍の息子だったことからタイトル名になっており、その後、国会議員も務めました。

この作品の主要キャストはすべて公開オーディションで選ばれたということで、今や映画やドラマでおなじみのメンバーがこの作品でデビューを飾っています。

例えば主役のパク・サンミンは『愛の群像』で、日本人ヤクザ役を演じたシン・ヒョンジュンは『銀杏のベッド』『アウトライブ飛天舞』などで、そしてキム・スンウは『ホテリアー』『新貴公子』などでおなじみのスターです。

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日本人ヤクザ対韓国人ヤクザという構図になっているので、日本人としては見ていて少々複雑な気持ちになりますが、中には丸岡のように話のわかる日本人も出てきてくれるのでホットさせられます。それでもこのキム・ドゥハンは義に熱く、けんかをしても必ず勝つため、見ていて溜飲が下がりますね。
感じたのはヤクザのボスたちが、みんな潔く負けを認めて退いていくところです。そしてみんながキム・ドゥハンに思いを託していくのは、キム・ドゥハン自身が持つカリスマ性と共に、やはり彼が将軍の息子だからというのが大きいのでしょうね。
ちなみに、キム・ドゥハンの物語は韓国人が大好きな題材で、2年前には『野人時代』というタイトルでドラマ化もされ、特に男性視聴者から大好評でした。