映画解説

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タイトル 純愛譜-じゅんあいふ-
韓国公開年 2000年
出演者 イ・ジョンジェ 橘実里 キム・ミニ 大杉漣 余貴美子
監督 イ・ジェヨン

【 映画紹介 】

『純愛譜』は、ソウルの青年と日本の少女が偶然と縁を重ねて出会っていくという独特な雰囲気を持つラブストーリーです。

ワールドカップ日韓共催を前にした2000年に、日本と韓国のメジャー映画会社が始めて手を組んだ合作映画ということで話題になりました。キャストもスタッフも双方の国から出して作り上げた文字通りの日韓合作です。

ソウルに住むウィン(イ・ジョンジェ)は役所で働いている生気のない青年。彼は毎日地味で孤独な生活が続くことに疲れていました。そんな中で唯一の楽しみはインターネットでアダルトサイトを見ること。一方東京に住む女の子彩(橘実里)は目下大学の浪人生で、死ぬことに憧れており、そのためにアラスカに行きたいと考えています。そのチケット代を作るために朝子という名前でインターネットの美少女覗きサイトに出演しますが、その姿がソウルのウィンの目に留まって、二人の不思議なつながりが始まるのでした。

監督はペ・ヨンジュン主演の『スキャンダル』でおなじみのイ・ジェヨン監督です。

細部にまで行き届いた細かい演出と美意識が映画の隅々に現れています。

カメラマンを初めとしたスタッフは、韓国で話が進む部分は韓国スタッフが、日本部分は日本のスタッフが手がけていますので、その辺の質感の違いを出したり、共通なものを発見するのも狙いだったということですので、見比べてみるのも面白いと思います。

いつもかっこいいイ・ジョンジェがここではオタクの危なそうな青年に扮しており、イメージをがらりと変えて出てきます。ヒロインの橘実里はこの作品が映画デビュー作で、少女特有の陶器のような美しさで観客を魅了し、韓国で大いに注目されました。

 

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tashiro

一種変わったラブストーリーで、きっとこれから主人公の男女の純愛譜が始まるのだろうなあと予感させるところで終わっています。
イ・ジョンジェの根暗な青年への演技変身にはびっくりさせられますが、この映画の撮影中にイ・ジョンジェさんにインタビューをしたことがあるのですが、本人も「とても冒険だったけれど、自分のキャラクターがすごく面白かったのですごく楽しかった。これまででもっとも印象に残った作品だ」と答えてくれました。イ・ジョンジェさんの作品は既に多くがビデオやDVDになっていますので、是非見比べてみてください。