映画解説
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タイトル | 春香伝(2000年公開) |
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韓国公開年 | 2000年 |
出演者 | チョ・スンウ イ・ヒョジョン イ・ジョンホン |
監督 | イム・グォンテク |
【 映画紹介 】
韓国の人なら知らない人はいないという古典物語の傑作「春香伝」。それまでにも何度も映像化、舞台化されている作品を、韓国の巨匠監督イム・グォンテク監督は、元来「春香伝」が韓国の伝統芸能パンソリによって語られ、作り上げられてきた物語だったと言うことに着目し、全編、パンソリの歌にあわせて描きました。
韓国映画はこの数年、世界的な映画祭の賞取りの常連になりましたが、2000年のこの作品が韓国映画として始めて、カンヌ映画祭のコンペティション部門に選ばれたという記念碑的な作品でした。
こう聞くと、なんだか退屈な芸術作品かと思いきや、意外や意外、とっても面白いです。「いい映画」という以上に「見て面白い映画」。ちゃんとエンターテイメントになっていますし、水戸黄門も入っています(笑)。
時は18世紀、粛宗の時代。地方を治める長官の息子モンニョン(夢龍)(チョ・スンウ)が、ある日、ブランコ遊びをしている美少女チュニャン(春香)(イ・ヒョジョン)を見初めて妻にもらい受けるところから始まります。貴族階級の男と妓生の娘の身分違いの恋。でも、父親の昇進に伴なってモンニョンは都に帰らなければならなくなり将来の再会を約束してチュニャンの元を去ることになります。泣いて追いすがるチュニャン。そして新たに赴任してきた長官ピョン・ハクト(イ・ジョンホン)にも見初められたチュニャンはモンニョンを想って側に仕えることを拒み、長官の逆鱗に触れてしまうのですが…。というお話。
演じるチョ・スンウは『ラブストーリー』や『H』でおなじみですが、当時ミュージカル俳優を目指す大学生でしたが、教授の勧めでオーディションを受けて抜擢されました。チュニュヤン役のイ・ヒョジョンは劇中のチュニャンと同じく16歳。未成年者のラブシーンということで世間の話題になりました。また、チュニャンの侍女役で『冬のソナタ』のチンスク役だったイ・ヘウンが登場します。
影の主役と言ってもいいパンソリを歌うのは、人間国宝のチョ・サンヒョン。緩急、強弱が耳に心地よく、素晴らしい歌いっぷりに引き込まれます。なじみが無くてもすごく自然に物語の中に入って行けます。
勧善懲悪なので見終わって溜飲が下がりますし、映像もそれはそれは美しく、特に衣装の黄色と赤がとても鮮やかに目に焼き付きます。
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パンソリにはそれほどなじみがなくてもすごく自然に物語の中に入っていけたのではないでしょうか。パンソリの歌詞に俳優たちの動きが忠実に映像化されているので、その一体感は見ていて気持ちがいいぐらいでしたね。
水戸黄門みたいだと思われたと思いますが、この暗行御史(アメンオサ)とは、朝鮮時代の王の密使で、地方官の行状を密かに監視する役目を負っていました。メダルのようなものは、そのアメンオサのあかしである馬牌(マペ)です。アメンオサは水戸黄門の印籠のように、悪人を捕まえるとき、このマペを掲げて悪人たちを捕まえたんですね。