映画解説

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タイトル 百万長者の初恋
韓国公開年 2006年
出演者 ヒョンビン イ・ヨニ キム・ビョンセ
監督 キム・テギュン

【 映画紹介 】

『百万長者の初恋』は、大金持ちのドラ息子と田舎の少女が繰り広げるやさしくて切ない純愛を描いたラブストーリーです。

わがままで傲慢な財閥3世のドラ息子に、亡くなった祖父から、全財産を相続するには田舎のある高校を卒業せよとの条件付きの遺言が残されます。仕方なく田舎の学校に転校するものの、都会とのカルチャーギャップに文句ばかり。でも自分を叱ってくれる少女に出会い、また優しい村の人々との交流を通して、何でもお金で思い通りになると世の中を小バカにしていた御曹司の中で大きな変化がおきてくるのでした。

メガホンを取ったのは、『火山高』、『オオカミの誘惑』で、クォン・サンウ、チャン・ヒョク、カン・ドンウォンといった若手のイケメン俳優たちを魅力的にフィルムに収め、彼らをブレイクさせてきたキム・テギュン監督。

キム・テギュン監督は、それまでは、劇画チックでワイルドで、スピーディーな作風でイケメンたちを撮ってきましたが、今回は一転、生意気な金持ちのドラ息子の純愛と人間的な成長を丁寧な描写で描き、美しくも優しいラブストーリーに仕上げています。

舞台も、‘お金’が媒介する乾いた都会から、‘情’で動く温かみのある田舎に移し、カエルや虫たちが鳴く夏の夜、ススキが揺れる金色に輝く晩秋の夕景、初雪の舞い落ちる初冬といった、自然がかもし出す情緒がふんだんにこめられ、純愛を輝かせています。

そして脚本は、『パリの恋人』などで知られ、その後『シークレット・ガーデン』でもヒョンビンとタッグを組むことになるキム・ウンスク脚本家が手掛けています。

主演を演じたヒョンビンにとって、『私の名前はキム・サムスン』で大ブレイクし、次回作が注目されていた中で初主演を果たした作品で、キム・サムスンでの、少々傲慢で意地悪で、でも実はナイーブで優しくて……といったキャラクターを更に過激にパワーアップし、しかも高校生役なので若返った姿で演じています。

ヒロイン役のイ・ヨニにとっては映画デビュー作で、清純可憐な魅力が画面に溶け込んでいます。『雪の女王』のイム・ジェファンも金持ちの友人役で登場しています。

tashiro

ヒョンビンにとって今回タッグを組んだキム・テギュン監督とは駆け出しの俳優だった頃に一度会ったことがあり、その時、よい俳優になるためにどうすればいいかということをいろいろとアドバイスしてもらったことがありがたく、いつか必ず一緒に仕事がしたいと思っていたそうです。でも高校生役はやはり気恥ずかしかったそうで、特に相手役のイ・ヨニが6歳年下で当時現役の高校生だったということもあり、キスシーンは彼女に申し訳なく、なんだか悪いことをしている気分になったのだとか。