映画解説

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強力おすすめ

タイトル 拍手する時に去れ
韓国公開年 2005年
出演者 チャ・スンウォン シン・ハギュン シン・グ リュ・スンリョン
監督 チャン・ジン

【 映画紹介 】

『拍手する時に去れ』は、ひとつの殺人事件を巡る推理群像劇です。

ソウルの最高級ホテルの一室で、人気女性コピーライターが死体で発見されます。すぐに容疑者が逮捕されますが、その取り調べの様子をTVで生中継することになります。取調室では、豪腕検事と容疑者との頭脳戦が繰り広げられ、その様子を見ながら、テレビのスタジオではパネリストや専門家ゲストが意見を述べ合うという前代未聞の捜査ショー。時間が経過するにつれ、事件は迷宮へと入り込み、視聴率も急落して行きます。業を煮やしたTV局は新たな手段に打って出るのですが、果たして事件はどう解決するのでしょうか。

捜査をテレビで生中継するという奇抜な設定で始まりますが、本筋で描かれるのは、徐々に明らかになっていく、被害者を巡る意外な人間関係です。綿密なトリックとコミカルな味付けにクスリとしながら、最後には切なさすら漂って、思わず「うまい!」と唸ってしまいます。

よく‘韓国の三谷幸喜’‘韓国の宮藤官九朗’と評されるチャン・ジン監督が、自らの人気舞台劇を映画化したヒット作で、『トンマッコルヘようこそ』などのシン・ハギュンと、『リベラ・メ』『ボディーガード』のチャ・スンウォンが主演で、緊張感のある心理戦を見せてくれます。

チャン・ジン作品にはおなじみのチョン・ジェヨンもポイント出演していますし、キム・ジスも特別出演で登場します。

tashiro

タイトルの『拍手する時に去れ』とは、劇中でも表現されているように、いい時に退場するべきだという‘引き際’を表現した言葉です。
もともと舞台で上演されたものでしたが、舞台では、チャ・スンウォンが演じた検事役をチェ・ミンシクが、シン・ハギュンが演じた容疑者をチョン・ジェヨンが、そしてベルボーイをシン・ハギュンが演じたそうです。
ところで、チャン・ジン監督の作品は、コミカルで一見アドリブのように見えるセリフや演技も全て脚本に書かれたものであり、俳優からのアイデアを採用しても脚本に書き込んでからリハーサルをして表現されるので、全ては綿密な計算の元で行われているのだそうです。