映画解説

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タイトル フェイス
韓国公開年 2004年
出演者 シン・ヒョンジュン ソン・ユナ キム・スンウク
監督 ユ・サンゴン

【 映画紹介 】

『フェイス』は、頭蓋骨から顔を復元する名手の男が巻き込まれた連続殺人事件を描いたミステリーホラーです。

体が溶かされ、骨だけが残された遺体が発見され、国立科学捜査研究所の顔復元専門家の男(シン・ヒョンジュン)に依頼がきます。しかし、男は心臓移植を受けた娘の容態が思わしくなく、仕事どころではないと辞表を出しますが、そんな彼のもとに法医学研究所の女性(ソン・ユナ)が遺骨を持ってやってきて、無念の死を遂げたこの骨の主人を見つけてあげて欲しいと男に顔の復元を無理やり頼み込むのでした。その日から男は悪夢や幻聴に悩まされるようになり、やがてこの一連の事件には臓器移植問題が絡んでいることがわかってくるのでした。

骨に粘土で筋肉や脂肪をつけていき、CGも利用して死者の顔を取り戻していく、というものめずらしい素材を扱い、恐怖だけではなく、ミステリー、悲恋といったジャンルを溶け込ませた物語となっています。

監督は、それまでに手がけた短編映画が国内外の映画祭で大きく注目された短編映画界のスター、ユ・サンゴン監督で、本作で長編映画デビューしました。

主演はシン・ヒョンジュンとソン・ユナというドラマでもおなじみのスター同士が共演し、抑制のきいた演技を見せています。

tashiro

いかがでしたか? ドラマでは元気のいい気の強い女性を演じることの多いソン・ユナですが、感情をポンポン出していく張り上げる演技に比べて、この映画のように、多くを節制しながら適正なラインを維持しなければならない演技はとても難しかったそうです。またシン・ヒョンジュンの恐がる表情が印象的だったと思いますが、彼はリアルな驚きを表現するために、リハーサルではわざと恐い幽霊を見ないようにして、本番で初めて見るようにしていたそうです。ところが彼が驚く姿に驚いてカメラが揺れてしまったり、同時録音が揺れたりして、スタッフがかえってNGを出してしまったということもあったそうです。