映画解説

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タイトル 情事an affair
韓国公開年 1998年
出演者 イ・ジョンジェ イ・ミスク キム・ミン ソン・ヨンチャン
監督 イ・ジェヨン

【 映画紹介 】

『情事』は、人妻が10歳以上も年の離れた妹の婚約者と恋に落ちるという、禁じられた愛におぼれていく2人の男女の葛藤を、繊細に、濃厚に、香り高く描いたメロドラマの傑作です。

裕福な家で、一人息子の母として何不自由のない生活をしていたソヒョン(イ・ミスク)。ロサンゼルスにいる妹(キム・ミン)の結婚が決まり、一足先にその婚約者(イ・ジョンジェ)がソウルにやってきます。新居の準備など姉としてなにかと面倒を見ているうちに2人は惹かれあっていきます。理性で踏み留まろうとするソヒョンですが、若い男の情熱に引き込まれ、禁断の恋に落ちていくのでした。

『スキャンダル』のイ・ジェヨン監督のデビュー作で、衣装、インテリアデザインなども『スキャンダル』と同じチョン・グホが手がけていますので、『スキャンダル』の世界が好きな方にはぜひともおすすめの作品です。

主演のイ・ミスクは、やはり『スキャンダル』でおなじみですが、『情事』は10年ぶりの映画出演作で、匂い立つ女の色香を振りまいて相変わらずの美しさを見せつけています。イ・ジョンジェはセクシー男の面目躍如、年上の女性に向ける、すがるような眼差しにはクラクラ来る女性が多いでしょう。

妹役にはジャッキー・チェンの『アクシンデンタル・スパイ』、日本映画の『GO』にも出演しているキム・ミンが扮しています。

何事かが起きそうな木々を揺らす風、湿った空気の質感、熱い吐息が禁断の愛を盛り上げ、二人の感情の高まり、押さえられない思いがピンと張った緊張感の中で伝わってきます。ラテン音楽を背景にした、官能的で、まるでフランス映画のような香り高い不倫劇です。

tashiro

物語全体に流れる主演2人のただならぬ愛の緊張感は、見終わったあと思わず溜息が出るほどでしたね。二人のラブシーンが大変美しく描かれていたのが印象的でした。不倫ドラマの最後はいつも賛否両論分かれるものですが、この作品は、女性が思い切った行動に出たというところが、韓国の女性たちにとって満足度の高いラストとなったということです。
この作品を機にイ・ミスクは再び映画界で活躍し始めましたし、イ・ジョンジェも、この作品で映画界での確固たる地位を築きました。