映画解説

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タイトル ヨコヅナ・マドンナ
韓国公開年 2006年
出演者 リュ・ドックァン ペク・ユンシク キム・ユンソク イ・オン 草彅剛
監督 イ・ヘヨン イ・ヘジュン

【 映画紹介 】

『ヨコヅナ・マドンナ』は、女の子になりたい男の子が相撲に取り組んでいく姿を描いた、ヒューマン・ストーリーです。

ちょっとぽっちゃりした少年は、体は男でも心は誰よりも乙女チックな可愛らしい‘女の子’。ちゃんと女の子になりたいという夢をかなえるべく、性転換手術の費用のために、皮肉にも男らしい韓国相撲のシルムに取り組む羽目になるのでした。

身体は横綱、心はマドンナ。主人公の純粋さとキュートさと、偏見から逃げない気持ちが心地よく、クスッとさせられながらもじんわりくる作品です。

監督・脚本を手がけたのは、『風林高』や『ARAHANアラハン』などで脚本家として活躍してきた二人組みのイ・ヘヨン、イ・ヘジュン監督です。大学時代からコンビで映画作りに当たってきた彼らが、女子高生のシルム選手に関するテレビ番組を見たのがきっかけで、監督デビュー作となったこの映画の構想を思いつきました。

奇想天外で心温まるキュートな作品作りで、大韓民国映画大賞の監督賞を始め、各種映画賞で新人監督賞や脚本賞を受賞しました。

主演のリュ・ドックァンは、この役を絶対にやりたいという思いで、2ヶ月で太ってみせると宣言して、実際に撮影までに27キロ体重を増やしたそうで、自ら‘命を賭けた’と語る見事な熱演ぶりに胸が熱くなります。大鐘賞のほか、各種映画賞で新人賞を獲得しました。

また、何がしかの師匠を演じることが多く、師匠専門俳優とも呼ばれるペク・ユンシクがシルム部の監督役を、『チェイサー』などのキム・ユンソクが主人公の父親役で出演しています。『コーヒープリンス1号店』『必殺!最強チル』のイ・オンが元シルムの選手という経歴を生かして、シルム部の主将役と、リュ・ドックァンを始め、仲間たちのシルム指導に当たりました。そして主人公が憧れる日本語教師の役でSMAPの草彅剛が特別出演しています。

tashiro

シルム部の主将役でイ・オンが出演していますが、交通事故で亡くなったイ・オンにとっては、この作品が映画デビュー作で、最後の映画になってしまいました。
そのイ・オンと主役のリュ・ドックァンの二人はシルム選手を演じるに当たって太らなければならず、2ヶ月間一緒に合宿をして1日6度の食事を続け、イ・オンが20キロ、リュ・ドックァンが27キロの増量に成功しました。それでも、大変な撮影が続いたり、シルムをやって体重が落ちてしまうと、「それじゃあダメだ」と言われて3日ほど撮影を中断し、また食べて太ることを求められたという、過酷な撮影だったそうです。