映画解説

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強力おすすめ

タイトル スーパースター☆カム・サヨン
韓国公開年 2004年
出演者 イ・ボムス ユン・ジンソ リュ・スンス コン・ユ キム・スミ チャン・ハンソン
監督 キム・ジョンヒョン

【 映画紹介 】

『スーパースター☆カム・サヨン』は、5年間で1勝15敗1セーブという少々寂しい記録をもつ、実在の野球選手カム・サヨン投手を題材に描いたヒューマン感動作です。

時は韓国にプロ野球が出来た1982年。工場勤めをしていた主人公のカム・サヨンは、子供のころからの夢だった野球選手になるべく入団テストを受けますが、チームにサウスポーの投手がいなかったというそれだけの理由で、サンミスーパースターズの投手になりました。

カム・サヨンは、170センチ、70キロの小柄な選手。最下位チームにあって、先発登板を任されたことがなく、敗戦の色が濃くなってくると次の試合のために投手を休ませる目的で出てくる敗戦処理専門の投手でした。当然、テレビ中継も切られてしまう時間なので、いつも映ることはありません。注目されることもなく、負けて、負けて、負け続ける日々。それでも黙々と任された仕事をこなし、いつか勝ち投手になる日を夢見ています。

そんな彼に、ついに、全国民が注目する試合で先発登板のチャンスがやってきます。この一世一代の大勝負に果たして勝つことが出来るのか。たった1勝でいい、勝ちたい!というカム・サヨンの夢は叶うのでしょうか?

キム・ジョンヒョン監督のデビュー作で、人生でたった1勝を上げることもままならず、それでも地道に頑張っている、そんな多くの人たちを励ます感動作として高い評価を受けました。

主人公カム・サヨンを演じたのは、個性派イ・ボムスで、彼にとっては初の一枚看板の主演映画です。イ・ボムス自身も、デビューしてから10年以上も無名時代を過ごした人だけに、この映画はまるで自分の物語だと思ったそうで、実際は右利きである彼が左利き投手になるために血の出る努力をするなど並々ならぬ思い入れで挑んでいます。そしてやはり実在するスター選手、パク・チョルスン投手役でコン・ユが友情出演しています。

ちょっと心が弱っている人や、自分の夢なんて忘れていたなあという人には「ファイト!」と元気をもらえる作品です。

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人生で最高ではなかったかもしれませんが、人生に最善を尽くした男の姿を、誰よりも美しいスーパースターとして描き出し、多くの共感を誘いました。
カム・サヨン選手は、入団から5年経った1986年にプロ野球選手としての生活を終えましたが、そのあとも野球にかかわり続け、国際デジタル大学野球チームの監督や、リトル野球団の監督を務めるなど、その後も夢を追い続けています。