映画解説

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強力おすすめ

タイトル ガン&トークス
韓国公開年 2001年
出演者 ウォンビン シン・ヒョンジュン チョン・ジェヨン シン・ハギュン
監督 チャン・ジン

【 映画紹介 】

『ガン&トークス』は、4人組の殺し屋が織りなすスタイリッシュコメディーです。

一見のほほんとした日常を送っている4人の男たちは、ちょっと間が抜けたところもあるものの、でもやるときはやる、らしくないプロの殺し屋たち。この4人がある日、大掛かりな殺人を依頼されます。それは、大観衆の前で一人の男を殺すというもの。殺し屋たちは見事このターゲットをしとめることが出来るのか、それとも彼らを狙う検事の手にかかるのか、スタイリッシュで疾走感があって、どこかやさしさが漂うコメディーアクションです。

この映画の何が一番の魅力かと言えば、やはり目においしいということでしょう。なんと言っても殺し屋に扮している4人のスターの魅力が満載です。

『銀杏のベッド』『アウトライブ飛天舞』などで報われない愛に泣く悲劇のヒーローを演じていたシン・ヒョンジュンは、この『ガン&トークス』では、兄貴の風格を漂わせながらも、飄々としたとぼけた味を実に楽しそうに演じて新境地を開きました。

『JSA』で子犬をかわいがる北朝鮮兵士を演じたシン・ハギュンは、直情型の血の気の多い危険な男として登場します。

また『フレンズ』『秋の童話』などで日本でもおなじみとなったウォンビンは、影があり、愛に一途な熱さを持つ役どころが多かったが、この映画では、どことなくあどけない顔で、兄貴分たちに甘えたがりのホワンとしたキャラクターを演じ、それまでと全く違った魅力をスクリーンに映し出すことに成功しています。そしてスナイパー役のチョン・ジェヨンは、ニヒルな大人の男の色気を漂わせ、女性の目を釘付けにするでしょう。

またこの4人の掛け合いが当意即妙で、クスクスさせられる面白さになっています。

tashiro

コメディーといっても笑わせるだけではなく、不思議なやさしさに満ちていて深いメッセージもにじみ出る。こうしたハートにじんわりくる後味を残すのは監督兼脚本を担当したチャン・ジン監督お得意の手法です。チャン・ジン監督は、演劇界・映画界・テレビとジャンルを越えて活躍している人で、日本で言うと三谷幸喜のような立ち位置の人です。監督いわく、プロでなければいけないのにそれらしくない変な人たちがいっぱい出てくる「バカの美学」を描くのが好きなんだそうで、そんなところがキャラクターの人間味につながっているのでしょう。
一ヶ月リハーサルを経て撮影に臨んだということで、演劇畑出身の監督だけに、舞台を作るような手法で製作された映画です。