映画解説

映画解説一覧に戻る

おすすめ

タイトル ウォンタクの天使
韓国公開年 2006年
出演者 イ・ミヌ イム・ハリョン ハ・ドンフン(ハハ) キム・サンジュン キム・ボヨン
監督 クォン・スングク

【 映画紹介 】

『ウォンタクの天使』は、息子への未練で生き返った父親が、天使の力を借りて息子の同級生となって心を通わすようになるという、ハートフルなヒューマン・コメディです。

詐欺の罪で刑務所に入っている父親を嫌悪している息子は、学校の問題児になっています。まもなく出所というとき不慮の事故で亡くなってしまう父親。父の亡骸を見て、グレてやると荒れる息子の姿に心を痛めた父親は、少しのあいだでいいから息子の親友になりたいと天使に頼み込みます。

同い年となった父と息子が育んでいく友情。40代なのに18歳になった父親はさっそく息子に近づいて親しくなろうとするのですが、見た目と違って世代の差は歴然、そこで起こるカルチャーギャップが笑いを誘います。

『ジャカルタ』『ピアノを弾く大統領』で助監督を努めたクォン・スングク監督のデビュー作で、息子と父親が共に笑うことが出来るコメディーにしたかったという監督は、『ライフ・イズ・ビューティフル』を見てこの映画を構想するようになったそうです。

主演は日本でも人気のアーティストグループSHINHWAのメンバーでソロでも活躍している歌手イ・ミヌで、彼の本格的演技デビュー作ということが大きな話題となりました。『ウェルカム・トゥ・トンマッコル』のイム・ハリョンがその憎めない愛嬌のある顔でなんともいえない父親の悲哀を表現していて泣かせます。また歌手でありタレントのハハが実にいい味を出しています。

tashiro

イ・ミヌはそれまでテレビのシチュエーションコメディードラマやミュージックビデオでは演技をしたことはありましたが、本格的演技はこの映画が初めてでした。韓国では歌手が本業以外の演技をすることに賛否両論が付きまといますが、そういうプレッシャーがある中で、イ・ミヌは、演技は興味本位で始めたのではなく、しっかり準備をして基本演技の練習を重ね、俳優としての体づくりもしたとして、この映画にかける意気込みを語っていました。この映画への出演は長時間のとても大きなテストを受けたような気分だったそうです。