映画解説
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タイトル | インシャラ |
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韓国公開年 | 1997年 |
出演者 | イ・ヨンエ チェ・ミンス |
監督 | イ・ミニョン |
【 映画紹介 】
『インシャラ』は、アルジェリアという異国の地で出会った韓国女性と北朝鮮外交官のラブストーリーです。
アメリカの大学院に留学中の韓国女性イ・ヒャン(イ・ヨンエ)は、友達とアルジェリアの砂漠を旅行中、密輸犯に疑われて、ただ一人抑留されてしまいます。そこで取調官として呼ばれたのが、現地に滞在中の北朝鮮外交官(チェ・ミンス)でした。彼は、アラブ地域の革命戦士を教育する立場でもあり、秘密裏に革命スパイを養成する任務も負っている人物でした。初めは、彼を警戒していたヒャンですが、次第に、2人のあいだには体制と理念の違いを越えて愛が芽生えていきます。
この映画が公開されたときの宣伝コピーに、「3分の出会い、3時間の会話、3日間の命がけの逃避行で結ばれた運命的な愛」とありましたが、まさに、そうした極限状況下での燃え上がる恋が描かれています。
同名のベストセラー小説の映画化で、『ボリウルの夏』のイ・ミニョン監督がメガホンをとり、『太王四神記』や『砂時計』で知られるキム・ジョンハク監督が制作を担当しました。タイトルの「インシャラ」とは、アラビア語で「神の意のままに」という意味です。
主演はこれが映画デビュー作となるイ・ヨンエ。そしてチェ・ミンスが、女性なら惚れずにはいられない男の中の男をストイックに演じ、男のロマンチシズムを表現しています。
この作品、原作がベストセラーということに加え、スター同士の共演、モロッコオールロケという異国情緒たっぷりの大作ということで、私はけっこう好きな作品なんですが、韓国で公開されたときには、興行的にも、批評的にも芳しくなく、失敗の烙印を押されてしまいました。でもイ・ヨンエにとっては、このときの経験が、演技面でも人生においてもいろんなことを考えるに至る、よきターニングポイントになったそうです。次の作品選びにも慎重になり、『JSA』に出るまで4年近い時間がかかりましたが、『JSA』では、作品だけでなく女優としても良い評価を得、その後の活躍はご存知の通りで、国民的女優として認知されています。