映画解説

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タイトル 偉大なる遺産
韓国公開年 2003年
出演者 イム・チャンジョン キム・ソナ キム・スミ
監督 オ・サンフン

【 映画紹介 】

『偉大なる遺産』は、パっとしない生活を送っている男女が繰り広げるラブコメディーです。

大学を出たものの、職にも就かずに、兄夫婦の家に居候をしているプー太郎の男(イム・チャンジョン)と、女優を夢見ながらも、いつもオーディションでうまくいかない、やはり無職の女(キム・ソナ)。ひょんなことで出会った2人が、一緒にひき逃げ事故を目撃したのをきっかけに、とんでもないハプニングに巻き込まれていくという、ドタバタチックなラブコメディで、肩の力を抜いて楽しめます。

主演のキム・ソナの演じている役柄は、彼女の代表作『私の名前はキム・サムスン』のサムスンを彷彿とさせますが、『夢精期』に続いてこの作品に主演したことで、韓国を代表する映画界のコメディエンヌとしての地位を確立したといってもいいでしょう。また相手役のイム・チャンジョンも、こうした笑いの中に情けなさがにじむコメディーはお得意。彼は歌手兼俳優の肩書きを持っていましたが、この映画の直前に歌手引退宣言をし、俳優専門となって初の映画となりました。(注:イム・チャンジョンは、その後6年ぶりに歌手に復帰しています)

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イム・チャンジョンの、ラスト近くの、電話で愛を告白する場面は、時間にすれば30秒ほどでしたが、流す涙がリアルじゃないと監督に言われ、なんと4日間にわたり67回も撮影したそうです。
また当時、映画をメインに活動していたキム・ソナにとって、この映画は本当にやりたかった作品だったそうで、この作品に出会ったことで、女優というより、ただ演技者としてやっていきたいと思えるようになったそうです。