映画解説

映画解説一覧に戻る

強力おすすめ

タイトル リメンバー・ミー
韓国公開年 2000年
出演者 ユ・ジテ キム・ハヌル ハ・ジウォン パク・ヨンウ
監督 キム・ジョングォン

【 映画紹介 】

『リメンバー・ミー』は、無線機が取り持つ時間を超えた男女の不思議な縁を、ノスタルジックにファンタジックに描いた恋愛ドラマです。

1979年、好きな先輩(パク・ヨンウ)の姿をこっそり見ていた女学生のソウン(キム・ハヌル)はひょんなことから古い無線機を手に入れます。すると月食の日、その無線機からインと名乗る男性(ユ・ジテ)の声が聞こえてきます。2人は同じ大学に通う者同士とわかり、時計台で待ち合わせの約束をするのですが、お互いに待っているにもかかわらず会うことが出来ません。それもそのはず、二人は違う時代に生きているのでした…。  無線交信を重ねるにつれて、その信じがたい事実を受け入れていく2人ですが、やがて、2人の間にはもっと不思議な縁があることがわかってきます。

セピア色に染まったような懐かしさを覚える70年代と、どこか無機質さを伴った現代。両者の描写が対照的に描き出されています。

主演は、『オールド・ボーイ』のユ・ジテと、ドラマ『ロマンス』『秘密』などでおなじみのキム・ハヌル、『バリでの出来事』『秘密』のハ・ジウォンといったフレッシュな顔ぶれです。

甘く、ほろ苦い内容で、恋を覚えたてのころの思い出が蘇ってくるような甘く切ない気持ちにさせられる、宝箱の中に大切にとっておきたいような作品です。
2000年の女性観客が選ぶ最高の映画賞で、今年のベスト韓国映画として『JSA』に続いて2位に選定されました。

tashiro

ソウンとインの時代には21年の差がありますが、一見なごやかな2人の交信の会話には、パク・チョンヒ大統領の暗殺や夜間通行禁止令のことなど、たくみに時代を代表する出来事が盛り込まれ、21年で韓国は政治的にも社会的にも大変革を遂げたということをほのかに浮上させています。
また、ハ・ジウォン扮する現代女性に比べて、キム・ハヌルが演じた70年代の女性像は、すべてを受け入れて耐えるという当時の韓国の母親像を織り込んだということなので、時代に見る女性像の変遷も面白いですね。