映画解説

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タイトル 甘く、殺伐とした恋人
韓国公開年 2006年
出演者 パク・ヨンウ チェ・ガンヒ チョ・ウンジ チョン・ギョンホ
監督 ソン・ジェゴン

【 映画紹介 】

今回お送りする『甘く、殺伐とした恋人』は、30歳を過ぎても恋愛経験ゼロの男とミステリアスな女性が繰り広げる、独特の個性が光るラブストーリーです。

大学講師のデウ(パク・ヨンウ)は、キスひとつしたことが無い独身男。恋愛には興味が無いと強がりながらも恋人がほしくてたまりません。そんな彼が、下の階に引っ越してきた少々変わったところのある女性、ミナ(チェ・ガンヒ)に出会いついに恋に落ちます。友達にあと押しされながらやっとのことでデートにこぎつけたものの、恋愛初心者だけにぎこちなさいっぱいに振舞ってしまうデウ。でもミナはそんな彼に惹かれていき、甘い恋愛が始まるのでした。…と、ここまでなら普通のロマンチックラブストーリーですが、この映画はここからが真骨頂。次第になにかを隠しているようなミナの疑わしい行動が現れ始め、じわりじわりと彼女の正体が明らかになっていきます。いったい、その秘密とは? 彼らの愛の行方はどうなるのでしょうか? コミカルですが、ブラックでミステリアスな、見るものの予想を裏切るラブストーリーです。

監督・脚本は本作が長編デビュー作となるソン・ジェゴン監督です。この作品でプサン映画批評家協会賞と大韓民国映画大賞でともに脚本賞を受賞し、その予測不能さとジャンルが混在した風変わりな物語展開は口コミで人気を呼んで、低予算映画ながら、観客動員200万人を超える大ヒットとなりました。

愛らしい顔をしながらとんでもない秘密を持ったヒロインをチェ・ガンヒが実にキュートに演じ、小心者で初心な男をパク・ヨンウが好演しています。実力は認められながらも、今ひとつ地味な存在だった2人は、ともにこの映画のヒットでスターダムに上がりました。

tashiro

いかがでしたか? 思わずクスリと笑ったあとに、そのセリフが持つブラックさにドキリとさせられたりして、そのへんがとても上手かったですね。実はこの映画はリアルな暴力描写も殺人場面も出てこないにもかかわらず、生命を軽視しているという理由で韓国では18歳未満は見られないというR18審議を受けた作品でした。映画界でも当時その判定の厳しさに驚いたそうですが、そんな不利な条件だったにもかかわらず、3週連続して観客動員1位となる人気を集めて大成功しました。
またこの作品は、キスシーンの多さが話題になったのですが、チェ・ガンヒはこの映画が出演4本目となるのですが映画でキスシーンを撮ったのは今回が初めてだったそうです。それがいきなり、撮影のためとはいえ200回近くもキスをして、12時間という長時間にわたってキスシーンを撮り続けたこともあったそうです。