映画解説

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タイトル レストレス~中天
韓国公開年 2006年
出演者 チョン・ウソン キム・テヒ ホ・ジュノ ソ・イヒョン
監督 チョ・ドンオ

【 映画紹介 】

『レストレス~中天』は、現世と天国の間にある‘中天’という仮想の空間で繰り広げられる、武侠アクション・ラブ・ファンタジーです。

時は900年代前半。悪霊を退治する退魔師で、いまではお尋ね者となっている男が、ひょんなことから、生きているにもかかわらず、死んだ人間の霊魂が49日間とどまる場所だという中天に迷い込んでしまいます。

そこで亡き恋人に瓜二つの女性に出会うのですが、彼女は既に天の人間なので記憶を持っていません。彼女のことを忘れられない男は、現世で守れなかった彼女を、この中天で守りぬくことを決意するのですが、彼女を狙っているのは、現世で男の仲間だった退魔師の霊魂たちだったのでした。

‘中天’という架空の空間の物語だけに、イマジネーションを刺激するべくビジュアルに気を遣い、最新のCGを駆使して韓国映画の可能性を見せたとの評価を受けました。

『武士~MUSA』で監督だったキム・ソンスが制作する、『武士MUSA』チームの作品で、これがデビュー作となるチョ・ドンオ監督は、チョン・ウソンの出世作『ビート』のときにキム・ソンス監督の演出部で働き、その後も『太陽はない』『MUSA武士』、『ユリョン』というチョン・ウソン主演作で助監督を努めるなど、チョン・ウソンとは旧知の間柄です。チョン・ウソンもまずシナリオ以上にこのチームへの信頼が出演の決め手になったと語っています。

衣装は世界的に活躍するワダエミが初めて韓国映画に参加しました。音楽は『武士MUSA』の鷺巣詩郎と、佐久間雅一が担当しています。

チョン・ウソン、キム・テヒという美男美女の共演で、キム・テヒの映画デビュー作です。『朱蒙』などのホ・ジュノが存在感のある役どころで登場します。

tashiro

クライマックスとなる3万の兵士に独り立ち向かうチョン・ウソンの場面が圧巻でした。実際は500人のエキストラを相手に撮影をし、あとはCG処理で出来上がったシーンでした。それにしても、韓国ではなぜかファンタジー映画は当たらないとされていて、この『レストレス~中天』はそれを打破することを期待されたのですが、100億ウォンをかけた大作ながら、観客動員が150万人程度にとどまり、損益分岐点には遠く及ばず、残念ながらジンクスを覆すには至りませんでした。