映画解説
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タイトル | ファン・ジニ映画版 |
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韓国公開年 | 2007年 |
出演者 | ソン・ヘギョ ユ・ジテ リュ・スンリョン ユン・ヨジョン チョン・ユミ |
監督 | チャン・ユニョン |
【 映画紹介 】
『ファン・ジニ映画版』は、実在した伝説のキーセン、ファン・ジニの人間的な姿にスポットを当てたラブストーリーです。
16世紀の朝鮮時代に生きた伝説の人物ファン・ジニについてはいろんな人物像があり、作家たちの想像力を刺激していくつもの小説があります。ハ・ジウォン主演でテレビドラマ化された『ファン・ジニ』は、キム・タッカンの小説を原作に「芸術か?愛か?」というせめぎ合いの中で生きていく芸人ファン・ジニの姿を描いていました。
今回の映画版は北朝鮮のホン・ソクチュンが、北の作家として初めて、韓国の権威ある萬海(マンヘ)文学賞を受賞し、北と南の両方から高い評価を受けた小説「ファン・ジニ」が原作です。
絶対的な身分社会で両班の娘として育った女性チニが、ある日、自分の出生の秘密を知り、自ら妓生として生きていく決意をして、世の中にこびず、身分の低い幼なじみのノミとの愛を貫いていくという物語になっています。
チャン・ユニョン監督が原作小説を読んで自らの手による映画化を熱望しました。
ファン・ジニを演じるソン・ヘギョは、憂いと高貴な品を感じさせる凛とした姿を見せており、少女から大人の女性にイメージチェンジすることが出来た作品で、大韓民国映画大賞新人女優賞を受賞しました。またファン・ジニの運命の男を演じるユ・ジテがセクシーでとても魅力的です。
衣装や美術を担当しているのが、ペ・ヨンジュン主演の『スキャンダル』を手がけたチョン・グホ。韓国の時代劇によく出てくる原色の派手な色彩は抑えて、緑、青、黒といった落ち着いた色合いをメインにしたものになっており、大鐘賞や春史大賞映画祭で賞を受賞しました。
ラストの美しい山の場面は、北朝鮮の金剛山でロケが行われました。
ファン・ジニは、映画の撮影中にドラマの放送が始まり、先に人気を得ていたので、いざ映画が公開になったとき、いろいろと比較されました。ソン・ヘギョ自身も気になってドラマを見たそうですが、芸術家としてのキーセンの側面をメインに描いたドラマと違い、映画では、身分の転落という絶望を味わい、世をあざ笑うように生きてやると決意した女性の、女として、人間としての姿が前面に出ており、テーマも内容も違っていたので自信を持って撮影を続けることが出来たと語っていました。