映画解説

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タイトル 二階の悪党
韓国公開年 2010年
出演者 ハン・ソッキュ キム・ヘス イ・ジャンウ オム・ギジュン
監督 ソン・ジェゴン

【 映画紹介 】

『二階の悪党』は、情緒不安定な主婦と、彼女の家の二階に間借りした男性が繰り広げるサスペンスコメディーです。

夫に先立たれ、思春期の娘と二人暮らしで、アンティークショップを営んでいる主婦(キム・ヘス)。うつ気味で、愚痴が多くヒステリーで娘とはケンカが絶えません。経済的にも困窮し、ついに二階を間貸しすることにします。その募集を受けてやってきたのが作家と名乗るインテリ風の男(ハン・ソッキュ)。でもこの男の正体は実は骨董品の密売犯で、2階に住みながら、日中親子が出かけたすきを狙って、こっそりと目的の骨董品を見つけるべく母屋の中を探しまわるのでした。お目当てのものを探し出せば終わるはずが、事態は計画通りに進まず、母屋の母子との関係も絡まっていきます。

『甘く殺伐とした恋人』でユニークな物語が高く評価されたソン・ジェゴン監督の2本目の作品で、主人公の意図したとおりに物事が進まずに、時にメロドラマになり、時に犯罪ものになりといったようにジャンルを行き来しながら次から次へとハプニングが起こっていくさまが笑いを誘います。

ハン・ソッキュとキム・ヘスという映画界の二大スターの主演で、1995年のヒット作『ドクターボン』以来15年ぶりとなる競演が話題になりました。ハン・ソッキュの、丁寧な口調から急に脅し口調になる巧みな話術と、キム・ヘスの、おびえや警戒心を浮かべ不安定に動く表情がさすがで、息のぴったり合ったやり取りの演技が見どころです。

『栄光のジェイン』などのイ・ジャンウが警察官役で登場し、娘の憧れの同級生役でアイドルグループU-KISSのドンホと、社長役でオム・ギジュンが友情出演しています。

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劇中では悪態をつきあっていたふたりでしたが、実際、ハン・ソッキュはこの映画に出演したのはキム・ヘスが相手役だったからだそうです。2005年ごろからキム・ヘスのファンになって、必ずまた一緒に演技がしたいと思っていたそうで、この作品で念願がかない、また10年後にも共演したいと絶賛していました。またキム・ヘスにとっても、自分が20代のまだ演技がつたない頃に共演しているだけに、個人的にも演技的にもハン・ソッキュは特別な人だとして、お互いにリスペクトしあう仲での共演でした。