韓流ソムリエ 田代親世の韓国エンタメナビゲート

『トンマッコルへようこそ』は、トンマッコルという架空の村を舞台に繰り広げられる感動のヒューマンドラマです。

１９５０年の朝鮮戦争のさなか、韓国、北朝鮮軍、アメリカ人の兵士たちがそれぞれ迷い込んできたのが‘トンマッコル’という名の山の中の村でした。この村の人々は戦争が起きていることすら知らず、畑を耕し、みんなで平和に暮らしています。初めは敵対していた兵士たちも、そのうち、あまりにものんきな村人たちのムードに飲まれ、一緒になって畑を耕すうちに、敵味方関係なく、人間同士の絆が生まれていきます。一種ファンタジーのようでもあり、笑って、泣いて、人間愛に感動する作品です。

韓国で公開されたときには観客動員８００万人という、国民の６人に１人が見るほどの大ヒットとなりました。

北朝鮮の将校をチョン・ジェヨン、韓国軍の将校をシン・ハギュンが演じ、天真爛漫な少女役に扮したカン・ヘジョンが、青龍賞と大韓民国映画大賞で助演女優賞を獲得しました。また北朝鮮軍兵士役のイム・ハリョンが青龍賞助演男優賞を受賞しました。この作品が長編デビュー作となるパク・クァンヒョン監督が、大韓民国映画大賞の監督賞と新人監督賞をダブル受賞、また作品賞と脚本賞も受賞しました。

音楽は監督の熱烈ラブコールにこたえて、『太王四神記』でもおなじみ、日本の久石譲が手がけ、大韓民国映画大賞で外国人としてはじめて最優秀音楽賞を受賞しました。人間の純粋さ、愚かしさ、荘厳さを感じさせてくれる名作です。