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『太王四神記』撮影現場訪問

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国際文化産業交流財団主催の取材ツアー、
4日目にソウルから済州道に移動し空港に着くと、
到着ロビーに日本からのお客さんと思われる人たちが
ずらりと列を成して並んでいました。

「もしかしてペ・ヨンジュンが来るのかな」と思ったら、
なんとあと2時間後の飛行機で来るということでした。
「撮影ってまだ終わってなかったんだ…」と驚きながら、
翌日、『太王四神記』のセット場に行くと、
幸運にもちょうど野外で撮影しているペ・ヨンジュンの
登場シーンを見ることができました。
いやあ、美しかったです。
一緒だった男性編集者も興奮気味に感嘆の声を上げるほど。

鎧を身にまとい、部下を従えて馬を駆けて城に戻ってくる場面の撮影でした。
馬を走らせては馬上からモニターをのぞきこんでいるのですが、
その横顔がまた凛として近寄りがたい美しさ。
とにかく実物は画面以上にシャープできれいでした。
(※この時ペ・ヨンジュンは写真NGでしたので写真はありません~)

そこに居合わせた日本からのファンたちは、
「は~あ、きれいね~え」とため息をついていました。
ペ・ヨンジュンが馬で前を通る時、
みんな思わず手を振ってしまって、
ツアーガイドの人に「手を振らないで下さい!」と注意されたりして(笑)。

群衆がいる前を凱旋してくるという設定だったのか、
見学している我々の方向に眼をやり、
若干口元に笑みを浮べたのを見て、ファンの1人が、
「あんな風に笑いかけたらNGじゃないかしら」
と心配したりしていたのがおもしろかったです。
演技なのだと思いますが…(笑)。

とにかく、みんなが満足そうにペ・ヨンジュンを見つめている図は、
幸福感に満ちてました。
寒かったので、ヨンジュン氏は、少し鼻をすすったり、
馬上で少し待機する合間に部下役の共演者と話したりする姿も見えました。
前日に『太王四神記』の19話をTVで見たばかりだったので、
そのまま続いているというような臨場感があってラッキーでした。
この撮影を見たあとで「実は重傷を負っていた」
というニュースが流れたので、「えーそうだったの!」
と驚きましたが、さすがプロで痛そうな素振りも見せず、
寒い外でのシーンに挑んでいました。

ただきっと痛みがあるんでしょうね。
撮影中は、それを抑えて気を奮い立たせている感じの
ピシッとした張り詰めた空気みたいなものは感じられました。

それにしてもキム・ジョンハク監督は、
この時点であと10%ほど撮影が残っていると言ってました。
結局大作すぎたせいか、事前制作はならず、
最終回のギリギリまで撮影するんでしょうね。

でも、今までの時代劇と違うということで、
10代、20代といった若い層からも支持されているとのこと。
監督は、
「やわらかさの中から出てくるカリスマ性が感じられる王を
作り上げることができて、ペ・ヨンジュン本人も、
そして私も満足しています」と語っていました。
ドラマを見た若い人に ‘前へ進んでいこう’ という意欲を
持ってもらえるようなドラマにしようと力を注いだそうです。

10月中旬から一般に公開されたこの済州島のセット場は、
大規模で本格的に作ってあり、見応えがありました。
時代考証重視というよりも、ファンタジードラマに合うように、
ヨーロッパ調や日本調を取り入れた自由な発想で作られていて
建物としておもしろいと思いました。

 

(2007年11月27日執筆)