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『西便制』

※真ん中がイ・ジャラムさん。左がマイケル・リー、右がヤン・ジュンモさん

 

韓国の創作ミュージカル『西便制』、良かったです。
日本でも公開された『風の丘を超えて~西便制』という映画
にもなった同名の小説を原作にしたミュージカルです。

パンソリが物語のキモになるだけに、
主演女優が肝心なのですが、
トリプルキャストの筆頭のイ・ジャラムさんは
実際パンソリの名手ですから、
ラストのパンソリがもう圧巻でした。

でもそれ以外の場面でも、
彼女の演技で泣かされたというか、
なんだか、目を細めて微笑んで立っているその姿だけで
もう涙が出てくるような存在感なんです。

ラスト、華奢で小さな身体から振り絞るようにして
パンソリを歌うのですが、
もう知らずにこちらも涙がポロポロとこぼれてしまうという感じ。

逆にじゃあ、彼女じゃなかったらどうなんだろうと
好奇心をそそられて、
次回はまた別のキャストでも見てみたいなと
思えてきました。
マイケル・リーもヤン・ジュンモも良かったです。


舞台美術も白の韓紙を全面に使って美しく、
そこに様々な色の照明を当てて
いろいろなことを表現していくという、
素朴ながらも素敵なもので、
シンプルさが返って歌や物語に集中させるものになっていました。
こちらも会場総立ちでした。

 

(2014年4月1日執筆)