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ロマンス時代劇ドラマ『王は愛する』キム・サンヒョプ監督インタビュー

※文章・写真の転載はご遠慮ください

今年1月20日~22日、済州島で行われた、シワン、ユナ主演のドラマ『王は愛する』
の日本マスコミ向け撮影現場公開の際にインタビューした内容です。
このときはまだ2話を撮影中。撮影が始まったばかりの段階でのお話です。

シワンが『ミセン‐未生‐』以来の韓国ドラマ出演となる今作は、同名の人気小説が原作。高麗時代を舞台に、熱い欲望と野心を抱き強い征服欲を隠し持つ魅惑的な美しさの世子ワン・ウォン(のちの忠宣王)と、彼の幼なじみの王族でウォンの護衛武士でもあるワン・リン、そしてその美貌で二人の男を破滅へと導く高麗のスカーレット・オハラ的な美少女ワン・サンという3人の愛と葛藤を中心に繰り広げられていくロマンス時代劇です。

 

――原作をドラマ化しようとした経緯は?

原作の小説は高麗時代の忠列王(チュンリョル王)とその息子の忠宣王(チュンソン王)の話で、その時代の事実に沿って描かれており、そこにラブストーリーが新たに織り込まれています。しかし、小説とドラマでは見せ方が変わってくると思います。
休暇中に小説を読んだのですが、二人の男性主人公と一人の女性を取り巻くラブストーリー、周辺の背景や人物との間で何か新たなシナジーが生まれるのではと、私は考えました。この世の人々がまだ感じたことのない、けれども深層の奥深くに誰もが持つ、内面の世界をこのドラマでは描けるのではと思いました。王がいた時代は親友と呼べる者がいるはずもなく、また一人の女性だけを愛するということもなかったでしょう。現代の我々が持つ情感ですが、過去も現在もあまり変わらなかったのでは…。
高麗時代の人物といえども、現在の人々が感じる感情に沿ってストーリーを描ければと思い、撮影しています。

 

――事前制作による作品ですが、制作しやすい面と難しい面は?

事前制作と聞くと聞こえは良いですが、十分な余裕をもって制作しているわけではないんです(笑)。
でも明日の放送分をすぐ撮らなくては!という、切迫した緊張感がない分、現場は少し気が楽ですね。
あってはならないことですが、以前撮影したドラマは、放送当日まで撮影していたこともありますからね。そのような状態では、もう1テイク撮影したいところですが、そうはいきません。今のところ(撮影期間の)余裕はありますが。
――事前制作となりますと、視聴者の声を聴きながら撮影ができないという点もあるかと思いますが、その点については?

残念ながら韓国では、事前制作で成功した作品があまり多くないので少し警戒しています。韓国ドラマのいいところは、視聴者の反応を見てそれを早く取り入れることではないでしょうか。視聴率をとるためには、(監督の)感情を押し殺し、ある意味韓国人が好むストーリー展開を取り入れたりしなければならいない時もあります。

なので、私は台本は前もって全話完成したものを、一気に撮影するのではなく、みなさん(撮影関係者・俳優など)の反応を聞きながら、意見を取り入れています。私も随所に修正・修正を加え撮影しています。作家さんと俳優の綿密な打ち合わせはもちろん、一番大事なのは作家さんとの意思の疎通ですね。

 

――主演のキャスティングはどういう基準で選んだのですか?

イム・シワンさんは『ミセン‐未生‐』で強烈な印象を人々に与えました。俳優としてキラリと光輝くものが見えましたし、世間が彼を認めました。映画『弁護人』ではまた違う一面、感情がこもったとても繊細な演技を見ることができました。なので、いつか彼と一緒に仕事ができればと思っていました。そんな中、制作会社を通じて彼がこの作品に興味があると聞き、出演が決定しました。

ユナさんは少女時代で有名な歌手兼女優ですが、彼女とは何か縁があるようで、7年前に初めて女優としてドラマ『シンデレラマン』に出演する際、共同演出家として私も一緒に仕事をさせていただきました。ユナさんはとてもタイトなスケジュールの中にも関わらず、私に「この作品に出たい」と強く訴えてきた覚えがあります。

ホン・ジョンヒョンさんは、『ママ~最後の贈りもの~』でご一緒しました。彼は『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』にも出演していましたね。僕が思うに彼本来の気質、素質が出た作品にまだ出会えていないと思っていました。乱暴でアクが強い役が多い彼ですが、本当は違うんです。以前『ママ~最後の贈りもの~』の撮影の時に、「君の純粋で少年みたいな清らかな部分が発揮できる役にめぐり会えればいいのに」と話をしました。
今回彼が演じるリンという役が、まさにそれで、今まで世間が抱く彼のイメージを払拭できるいい機会なのではと思いオファーしました。今まで演じてきた役とは正反対で彼も望んでいたのでしょうか、彼はとても好意的に役を引き受けてくれました。

配役が決まってから、俳優が演じやすいように台本を修正・加筆していきたいなと思いました。私が思うに、台本もキャラクターも絶対的で固定されたものではなく、状況に合わせ変化させていくべきだと。演じる人に合わせることが大事なのではと思っています。


――というと、この作品は‘あてがき’になるのでしょうか?

そうですね。その役者の個性に合わせてストーリーを書いていきます。撮影の前、2日間かけて作家さんと綿密な打ち合わせを行います。台本は初校、仮台本、完成版と全部で3回くらいになりますね。会議はそれで終わりではなく、次回のストーリー構成を練ることまでします。このインタビューが終わり次第、すぐ作家さんと打ち合わせなんです(笑)。ある意味、事前制作ではないかもしれませんが、このように3段階経て台本を作成するのは作品の完成度を高めるという意味ではとても効果的なことだと思いますね。本音を言いますと、あと2か月あればいいな…と思いますね。


――この作品のみどころは?

やはり、ブロマンスとラブロマンスの行方ですかね。企画案を練った当初と比べ、ロマンス(ブロマンス、ラブロマンス共に)の話が膨らんでいますね。もし年末のMBCドラマ大賞でイム・シワンさんとホン・ジョンヒョンさんがベストカップル賞を獲るようにことがあったら、このドラマは大成功といえるでしょうね(笑)。


――悲劇的なストーリーなのでしょうか。それとももう少しラブロマンス寄りですか?

原作そして企画の段階では全般的なトーンが暗めでした。20話中10話は明るいトーンでお互い信頼しあうような内容で、後半では彼らの中で起きる葛藤、裏切りなどを盛り込んでいければと思っています。エンディングの部分では…センセーショナルなことが(笑)!ウォンは実在する人物ですが、リンとサンは架空の人物ですので、原作と同じになるということはありませんね。ネタバレになるので、お話できるのはここまで(笑)。

――ロマンス時代劇では胸キュンな内容が必ず盛り込まれていますが、このドラマでもそのような要素はありますか?

私としては胸キュンが詰まっていると思いますが、視聴者はどう判断するでしょうかね(笑)。

2017.5.29執筆

 

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