映画解説

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タイトル 菊花の香り~世界で一番愛された人
韓国公開年 2003年
出演者 パク・ヘイル チャン・ジニョン ソン・ソンミ キム・ユソク
監督 イ・ジョンウク

【 映画紹介 】

『菊花の香り~世界で一番愛された人』は、こころから愛する人との出会いと別れ、短くも美しい愛を描いた純愛映画です。

韓国のみならず、アジアでベストセラーとなり、200万人以上の人々を泣かせたという同名の小説が原作です。

大学の新入生のイナ(パク・ヘイル)はある日偶然見かけた女性に心をときめかしますが、彼女は大学のサークルの先輩ヒジェ(チャン・ジニョン)でした。ヒジェに恋人がいるにもかかわらず、思いを抑えきれずに告白してしまうイナでしたが、拒絶され、ヒジェを忘れようと兵役に行ってしまいます。その間にヒジェは交通事故で婚約者と両親を失い、自身も大怪我を負って、心を閉ざして暮らしていました。

ラジオ番組のプロデューサーになったイナは、そんなヒジェのつらい境遇を知り、彼女への思いを、リスナーからの手紙というかたちで毎週のように放送で流すのでした。出会いから7年もの歳月を、一途にヒジェへの思いを貫くイナの思いは果たして遂げられるのでしょうか。

主演は、『反則王』『オーバー・ザ・レインボー』のトップ女優の一人、チャン・ジニョンと、映画界で当時新世代トロイカ(次世代の3本柱)といわれていた『殺人の追憶』などのパク・ヘイルがつとめ、『美術館の隣の動物園』のソン・ソンミが二人の愛を見守る役どころで好演しています。ほかに『冬のソナタ』などのキム・ヘスクがイナの母親役でワンポイント出演しているのもお見逃しなく。

前半が片思いの切なさを、そして後半は夫婦愛の尊さを描き、互いを思いやる優しい気持ちに泣かされてしまうでしょう。

tashiro

ひたむきに一人の女性を愛するイナの愛の形に胸打たれますね。原作ではこのイナがもっと完璧な男性に描かれているそうですが、映画化に当たって、観客から共感を得られるように、あえて、平凡な男性に設定したのだそうです。ほかにも女性主人公の職業や、エピソードなども変えて、よりアナログ的な雰囲気に仕上げているということですので、原作と読み比べてみるのも面白いでしょう。
ところで、この原作『菊花の香り』はドラマ『秋の童話』と縁が深い作品です。原作者のキム・ハインさんが陶芸家の奥様と使っているアトリエは、ドラマ『秋の童話』でも撮影に使われた江原道にある廃校で、その関係で、『秋の童話』のドラマ作家のオ・スヨンさんが、小説の『菊花の香り』の中のセリフをモチーフにして「生まれ変わったら木になりたい」というセリフにして重要な場面で使ったということです。