映画解説

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タイトル ビースティー・ボーイズ
韓国公開年 2008年
出演者 ユン・ゲサン ハ・ジョンウ ユン・ジンソ クォン・ユル
監督 ユン・ジョンビン

【 映画紹介 】

『ビースティー・ボーイズ』は、ソウルの中でもセレブが集う街チョンダムドンのホストクラブを舞台に、ホストたちの光と闇をリアルに描いていく人間ドラマです。

入店3か月にして店のナンバーワンになっているホストのスンウ(ユン・ゲサン)。彼はお客として出会ったホステス(ユン・ジンソ)に惹かれ、同棲生活を始めるようになります。一方、ホストたちを管理する男マダム役のジェヒョン(ハ・ジョンウ)は、多額の借金を返済するために同棲相手や客の女性をだますことに必死になっています。表面的には軽やかに華やかに生きているようでいながら、彼らの生活はどんどん煮詰まっていくのでした。

デビュー作の『許されざるもの』で注目を浴びたユン・ジョンビン監督の2作目です。

実際にホストバーにウェイターとして数か月間アルバイトしながら取材して、ベテランホストたちからも話を聞いて、リアルなホストたちのエピソードを脚本に込めました。

夜の世界に絡め取られていく男と、したたかに生き残っていく男。二人の対照的なホストを軸に、ホストバーの夜の文化とホストたちのライフスタイル、哀歓、虚と実、金と愛に身を持ち崩していくさまが赤裸々につづられていきます。

ナンバーワンホストにユン・ゲサンが、そして女たちをうまく丸め込みながらもしたたかに生きていくホストクラブの管理者に、『許されざるもの』でユン監督と息を合わせたハ・ジョンウが再び起用されています。

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この映画、ハ・ジョンウとユン・ジョンビン監督が『許されざるもの』のあと、もう一度一緒にやろうと約束し合い、それが果たされた作品でした。ハ・ジョンウは企画段階から参加し、1年前から1週間に一度づつ監督と一緒にホストたちを管理する男性マダムに会って、行動様式や些細な部分までアドバイスをもらって役作りの参考にするなど、時間をかけてセリフやキャラクターを練りこみ、アドリブも多用しながら演じたそうです。その甲斐あって、‘ハ・ジョンウのためのキャラクター’と言われるほど完璧に役を消化したと評価されました。